マツダ技報 2022 No.39
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―4―3. 商品特徴3.1 KV#1 運転する愉しさ CX60では,力強さと高い環境性能を兼ね備えた新開発のパワートレインと安定した車両姿勢によって,積極的に加速が愉しめる車体構造「縦置型SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を組み合わせた。加えて,新しい領域への挑戦として,心に響くクルマづくりに徹底的にこだわり,ドライバーの走りの期待にシンクロする加速のリズムとエンジンサウンドをつくり込み,心昂る疾走感を実現した。また,運転する愉しさと同乗者が車酔いしにくい快適性を両立させることで,乗員全員がドライブを愉しめる車両挙動を実現した。 特にこだわった2つの点を以下紹介する。(1)音とリズム CX60では,心を昂らせるパワートレインの音とリズムに徹底的にこだわった。重層的に湧き上がる力強いサウンド,キレのある変速によるリズムを日常領域でも感じることができる。CX60は,ドライバーが実際にアクセルを踏み込むと,加速と調律の取れた重層なサウンドを奏でる。アクセルワークによって,繊細に,時に力強く,あたかもオーケストラの指揮者のようにドライバーの心を表現するサウンドを奏でることができる。更に,新開発のトルクコンバーターレス8速オートマチックトランスミッションは,機械式クラッチ機構を採用し,エンジン応答の良さをダイレクトに伝え,変速応答や変速間隔をつくり込むことで,人の感覚に一致したリズム感のある軽快な走りを実現した。この心昂る音とリズムにPHEV」Fig. 1 Joy of Driving by YourselfFig. 2 e-SKYACTIV D 3.3 これを実現するために,以下3つのKey Value(KV)を定義した。KV#1 運転する愉しさ~運転すればするほど元気になる,KV#2 安心安全~いつまでも・どこまでも・もっと走りKV#3 デザイン~思わず走り出したくなる,いつまでも 以下の「3.商品特徴」で,各KVの特徴を順に紹介する。同乗者と一緒にドライブが楽しめる~たくなる~乗っていたくなる~より,CX60を運転することで,愉しく,元気になり,凝り固まった心を開放することを目指した。(2)意のままの加速 CX60では,人が感じる「加速の質」までこだわった。ねらいは,「安心して,大きな力を,意のままに操る,愉しさ」である。大きな力を発揮する新パワートレインと安心して運転できるベースとなるプラットフォームを開発した。車両挙動も,より一層,乗員が予測しやすくなっており,家族やペット,仲間などの同乗者が車酔いしにくい快適性を実現している。ドライブ中にドライバーは運転を愉しみながら,同乗者は快適に過ごすことができる。CX60の加速する愉しさは,山の中の曲がりくねったワインディングロードだけではなく,高速道路への合流,追い越し加速などのシーンでも胸のすく“疾走感”を堪能できる。 ① 3.3L直列6気筒ディーゼルエンジン「SKYACTIVD 3.3」(Fig. 2) 2段エッグ燃焼室と高圧燃料噴射と大排気量化によって,実用運転域の広い範囲で高い熱効率を実現した。エンジンは多くの空気があるほど,高効率なリーンバーン(希薄燃焼)ができ,きれいに混ざった均質な混合気を低温で燃やせて,必要な時には大きな力が取り出すことができる。燃焼の理想を追求すること,そして大排気量化によるクリーン化と効率化とエンジントルクを向上させて走りの良さを高めた。 ② プラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV  マツダ初となるSKYACTIVG 2.5直列4気筒エンジンに大きなモーターとバッテリーを組み合わせることにより,同じく今回新開発した3.3Lディーゼル並の力強い意のままの走りを実現した。マツダが今まで積み上げてきたエンジン,電気駆動,駆動系技術と,人間中心開発の全てを注ぎ込むことで,緻密な駆動力コントロールを実現し,人馬一体感を大きく高めた。 ③ 縦置型SKYACTIVマルチソリューションスケーラブ 安心して加速を愉しむために,ベースとなるプラットフォームを鍛え上げた。プラットフォームは,エンジンルアーキテクチャー

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