マツダ技報 2022 No.39
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(1) (株)ブレインパッド マーケティングブログ パーソナライゼーションが重要な理由とは?マーケ(2)ドライビングポジションの確認・調整画面の操作 初めて車に乗るドライバーでも,迷いなく適切なドライビングポジションに調節できるよう,下記の点に注力した。 1)調節手順のわかりやすさ 初めて車に乗るドライバーの3つの不安「どういう運転姿勢がよいのか分からない」,「調節機能をどこのスイッチで操作するのか分からない」,「どういう順番で調節するのか分からない」を解消するため,難しい調節方法を文字だけではなく,順番ごとに調節するための操作機器や,調節する方向をイラストで表現した(Fig. 11)。 2)操作手数の最小化 ドライビングポジションを調節する操作と,画面の操作を交互に行う。持ち替え動作を最小限にするため,表示している画面に必要な情報を集約することで,画面をスクロール操作する手間を省いた。 3)操作タイミングの自由度 適切なドライビングポジションの調節に要する時間は,ドライバーによって異なる。画面を操作する際の タイミングに自由度を持たせるため,ドライビングポジション調節中にどのタイミングでも画面を切り替える操作を可能としており,ドライバーが納得のいくタイミングで画面を次に遷移できるようにした。 CX60向けドライバー・パーソナライゼーション・システム の開発では,「車が人の特徴を考慮した車内環境を提供する」というパーソナライゼーションの手法を導入した上で,人の感覚に合わせ,より扱いやすい車とするために「人間中心」の思想に基づくHMIを深化させた。 2章では,本システムの導入の背景とシステムの概要―121― 末永 修滋 藤丸 翔太 https://www.brainpad.co.jp/rtoaster/blog/about_personalization/5. おわりにFig. 10 Screen When Recognizing a DriverFig. 11 Screen Driver Position Adjustmentを述べ,3章では,システム構成とシステム動作の具体例を示し,4章では,要素技術の詳細を説明した。 本システムの導入により,車を思いどおりに扱える人馬一体感による「走る歓び」の価値を多くのドライバーに体験していただく機会を創出した。 マツダは今後もこのシステムを進化させ,「走る歓び」をお届けし続けるとともに,CASE時代における車の新たな価値を創出していく。ティングのためのコツや注意点も解説■著 者■杉吉 竜弥前田 真聡平田 義人 中上 千恵子 参考文献

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