マツダ技報 2022 No.39
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―132―1. はじめにfunctions, the development scale of software installed in cars is increasing, and the amount of communication in vehicles is increasing. Under these circumstances, it is a good opportunity to show our skills to improve the e■ciency of software development and achieve high-quality development in a short period of time. This paper introduces the concept and results of the improvement of software development e■ciency by the advanced verification and validation of the functions using the vehicle network simulator at the CX60.Controller area network, Simulation, Control system, Software, Vehicle networkElectronic Platform Development Dept.Yohei SatoTsutomu ShinkawaHiroki NishiharaRyoma MurakamiKeisuke HiharaKey words: Electronics and control, Information, Communication, and control, Integration control, CX60における車両ネットワークシミュレーターを Development E■ciency Improvement by Network Simulator in the CX60特集:MAZDA CX6022 近年,クルマに求められる機能は高度化,多様化している。それに伴い,クルマの制御システムは複雑化している。これらの動きは今後ますます加速すると考えられる。 特に「CASE」と呼ばれる領域について革新が進んでいる。「CASE」とはコネクティッド(Connected),自動運転(Autonomous),シェアリング(Shared)及び電動化(Electric)の頭文字を取った造語である。これらの領域*1~5  電子基盤開発部 要 約 近年,自動車業界は,環境問題への対応やそれに伴う電動化や自動運転技術の登場により大きく変化しており,マツダではこの変化に対応しつつお客様に“走る歓び”を提供し続けるために新たな機能開発を進めている。機能の高度化及び多様化に伴い,クルマに搭載されるソフトウェアの開発規模は増大し,かつ車両内での通信量も増加している。このような状況で,いかにソフトウェア開発の効率を上げ,短期間に高品質なモノ造りを実現するかが我々マツダの技の見せ所である。本稿ではCX60において効率的なソフトウェア開発を実現した,車両ネットワークシミュレーターによる機能の先行妥当性確認,先行動作検証について,その考え方と成果を紹介する。AbstractIn recent years, the automobile industry has undergone major changes due to “Responding to environmental problems through electrification” and “Autonomous driving technology”. Mazda is developing new functions in order to continue to provide customers with the “Driving pleasure”. With the complication and diversification of 佐藤 陽平*1西原 大樹*2日原 圭祐*3新川 力*4村上 龍馬*5における革新によって,クルマの構成及び役割が大きく変化している。 マツダにおいてはこの変化に対応しつつお客様に走る歓びを提供し続けるために多くの機能開発を実現している。例えば,幅広い運転シーンにおいて,お客様により安心いただける力強い走りを提供するMazda intelligent Drive Select(Mi-Drive)や,クルマをドライバーに合わせより快適にドライブを楽しむドライバー・パーソナライゼーション・システムのような機能開発である。 これらの機能は複数の電子制御ユニット(Electronic 用いた開発効率化

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