マツダ技報 2022 No.39
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―143―4. 開発結果GoodPoorFig. 16 Dispersity of Aluminum Flake in Atomized  また,これらの工法が安定して維持できる工程管理も重要である。例えば,塗装中の塗料吐出が安定せず,脈動した場合は,塗膜中のアルミフレーク間の隙間が変わってしまい,意匠に影響がでてくる。塗装パラメーターの常時モニタリング管理や定期的なメンテナンス項目などを設定し,工程管理方法を確立した。 更に,塗料の製造管理においては,前述のシミュレーション技術をつかって塗料中の顔料やアルミフレークの管理幅を決定し,原料サプライヤーや塗料サプライヤーの協力により原料レベルから高い管理を実施した。Fig. 17 Color Level of Rhodium White Premium MetallicFig. 14 Volumetric Contraction E■ectFig. 15 Dispersity of Aluminum Flake in PaintPaint この効果を大きく得られるよう塗料開発を行った。具体的には,体積収縮後の膜厚を従来以上に薄くしながらも,体積収縮前の膜厚を厚くするため塗料中の固形分を低くした。固形分を低くすることにより,塗装中のタレなど不具合発生の懸念があるが,粘性を最適化することで品質を確保した。その結果,体積収縮効果を従来色の約4倍まで拡大した塗料を開発し,アルミフレークの高配列を達成した。また,第2ベースコート層を薄膜化することによる耐チッピング性の低下が懸念されるが,塗膜の破断エネルギーを高める設計を織り込むことで意匠性と塗膜性能を両立させている。(4)塗膜中のアルミフレーク間の隙間制御 塗膜中のアルミフレークの隙間(水平方向における配置)を制御するには,「塗料状態でのアルミフレークの分散性が確保できていること」及び「塗料を均一に塗り重ねて塗膜にしていくこと」が不可欠である。塗料状態でのアルミフレークの分散性が確保できるよう塗料開発を行った。具体的には,アルミフレークと塗料中の成分である樹脂,溶剤及び添加剤などの相互作用を最適化することで分散性を確保した(Fig. 15)。 塗料を塗り重ねていく工法については,以下のステップで決定した。まず,塗料が塗装機によって霧化されたときの塗装パターン中にアルミフレークが均一に配置できるよう塗装条件の最適化を行った。吐出量や塗装機のベル回転数など塗装時の設定パラメーターと,塗料の粒子径分布やアルミフレークの分散状態を確認しながら塗装条件を決定した(Fig. 16)。 次に,均一な塗料粒子を塗り重ねていく塗装軌跡について,これまでに培ってきた膜厚シミュレーション技術を使用し,軌跡の適正化を行った。 今回開発したロジウムホワイトプレミアムメタリックは,ハイライト領域で従来のシルバーメタリック色を大幅に上回る金属質感(明るさ)を有し,かつ,シェード領域でもホワイトパール色同等の白さ(明るさ)を有している(Fig. 17)。更に,「緻密な金属質感」においては,従来のホワイトパール色と比較して粒子感が少なく,かつ,金属調の輝き(フリップフロップ)を高いレベルで表現できている(Fig. 18)。

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