マツダ技報 2022 No.39
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―170―1. はじめに2. フロントオープンエンド工法とはwere a single surface. In addition, the company is working to transform its manufacturing lines to make them easier to work with, aiming to create an environment where a global and diverse workforce can work with vigor and enthusiasm, and is developing production methods that make it easier to work with any cars. This article introduces the e■orts implemented in the CX60 to achieve both “KODO design” and “Workability”.Key words:Production・Manufacture, Assembly, Quality, KODO design, Workability, Front endPainting, Trim & Final Assembly Engineering Dept.Body Development Dept.Kunihiro TakataKyo OuBody Production Engineering Dept.Toshiyuki KawaiAkihiro KawanoRyo Sakitaand “Workability”特集:MAZDA CX6028 マツダのクルマは,運転する愉しさを提供するために進化を続けている。中でも魂動デザインはマツダの重要な提供価値で,生産技術部門では,魂動デザインの忠実な造り込みに取り組んでおり,CX60では外観品質をこれまで以上に向上させる取り組みを実施した。 また,グローバルで多様な人材にいきいきと働いてもらえる環境を目指し,働きやすい製造ラインの変革に向けて活動しており,車両のフロントエンドにおいて,どんなクルマでも作業がしやすい,フロントオープンエンド工法(Front Open End 以下,FOE)を採用し,CX60の量産から実施した。*1~3  車両技術部 *5  ボデー開発部 要 約 マツダの生産技術部門では,お客様の期待を超えるレベルで走る歓びを実現するために,独自価値の具現化を目指している。その一つとして,魂動デザインの忠実な造り込みに取り組んでおり,隣り合う意匠面が一枚の面であるかのように感じられる「面の連続感」の造り込みを行ってきた。また,グローバルで多様な人材にいきいきと働いてもらえる環境を目指し,働きやすい製造ラインへの変革に向けて活動しており,どんなクルマでも作業がしやすい生産工法の開発を行っている。本稿では,CX60で実施した「魂動デザイン」と「働きやすさ」をともに向上させた取り組みについて紹介する。AbstractProduction engineering department of Mazda tries to supply unique value in order to realize the “Driving pleasure” that exceeds customer expectations, so, we are working on to meticulously develop the “KODO design” and have been building “Continuity in Surfaces” that makes the adjacent design surfaces feel as if they 高田 有弘*1川合 敏之*2﨑田 亮*3王 強*4川野 晃寛*5 本稿では,CX60で取り組んだFOEを活用した魂動デザインの造り込みと作業性向上についての内容を紹介する。 従来のマツダの工程は,車体組立工程でボディー前端の左右を連結するバンパーレインを組み付け,ボディーを塗装後,車両組立工程へと移る。車両組立工程では,エンジンルームの中に作業者が入れないため,部品組み付け時にフェンダー越しからの腰曲げ作業になっていた (Fig. 1)。そこで,どんな魂動デザインのクルマでも生産を可能にし,作業がしやすい製造ラインにするため,バンパーレインがない状態で,エンジンルーム内への作業*4  車体技術部 生産工法の変革による魂動デザインと働きやすさの追求Innovation of Production Method for “KODO Design”

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