ʻAccident-Free Society’ COPILOTとは,「飛行機の副操縦士」を意味する。副操縦士のように,一人で運転していても,もう一人の優れたドライバーが,いつも横で寄り添ってくれている。それにより,ドライバーは心から安心し,いつも自信を持って運転を楽しむことができる。MAZDA COPILOT CONCEPTは,機械が完全に人間に代わって運転するのではなく,あくまで「人による運転」をサポートする技術である。本稿では,MAZDA COPILOT CONCEPTとそれに基づく技術試作車(Fig. 2),及び主な構成技術について紹介する。―177―Fig. 1 Building Blocks toward the Realization of an Fig. 2 Technology Prototype Vehicle Based on MAZDA 2. 「安心・安全なクルマ社会」実現に向けた課題 死亡重症事故件数は年々減少している(Fig. 3)。しかし,安心・安全なクルマ社会の実現には多くの課題がある。例えば,78%のドライバーが運転中に眠気を感じているとのデータがある(Fig. 4)。重大事故の潜在的な要因として,この「眠気」が関与している可能性がある。また,周囲を巻き込むような重大事故につながりやすい,ドライバーの運転中の発作・急病などの体調急変による事故件数は増加を続けている(Fig. 5)。特に高齢ドライバーの疾患・体調急変による重大事故は大きな社会問題になっている。更に,発作・急病などの体調急変は,その95.8%が速度60キロ以下で発生している(Fig. 6)。 従って,事故を減らすためには,このようなドライバーの体調急変や眠気に対応する技術が必要であり,対応する安全技術は,高速道路や自動車専用道路だけでなく,一般道路もカバーする必要がある。COPILOT CONCEPTFig. 3 Number of Deaths and Serious Injuries Per 10000 Units(Passenger Vehicles in Japan)Source: Mazda’s Analysis Based on 2020 Research from Institute for Tra■c Accident Research and Data AnalysisFig. 4 Frequency of Drivers Feeling Drowsy when Source: Data Compiled by Mazda Based on the March 2015 Report on Public Countermeasures to Prevent Fig. 5 Road Accidents Caused by Sudden IllnessSource: Road Tra■c Statistics from Institute for Tra■c Accident Research and Data Analysis (Public Interest behind the WheelDrowsy Driving on the HighwayIncorporated Foundation in Japan)
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