マツダ技報 2022 No.39
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4.主な構成技術(2)ドライバーに異常が発生した時 体調急変や眠気に襲われ,意識を失ってしまうなどのドライバー異常を検知すると,ドライバーだけでなく同乗者に対しても,ディスプレーやメーターによる表示,アラームによる警告や音声により,ドライバーの異常を検知したことを乗員に伝え,ドライバーに応答確認を行うと同時に,車線維持・車間維持・緩減速による車両の安定化などの運転支援及び衝突被害軽減機能などを自動で発動し,安全を確保する(Fig. 8)。(3)ドライバーが運転出来ないと判断された時 ドライバーが運転を継続できないとシステムが判断した場合は,クルマを安全に停車させた上で,必要に応じて緊急通報を自動で実施する(Fig. 9)。―178―Fig. 6 Estimated Speeds for Accidents Caused by Accident Research and Data Analysis(Public Interest 3. MAZDA COPILOT CONCEPTについて3.1 提供価値 ドライバーの“状態”によるリスクを低減することは,人の能力を最大限に引き出すことにもつながり,走る歓びを支える。 MAZDA COPILOT CONCEPTは,高齢者から若年ドライバーまで,常にドライバーの状態を見守り,一般道路から高速道路まで場所を選ばず機能することで,ドライバーが原因となる事故の削減,被害軽減に貢献する。それは,ドライバーや同乗者だけでなく,ドライバーを送り出す家族や周囲の人々への安心も提供できると考えている。3.2 基本機能 (1)ドライバーが通常の運転をしている時,(2)ドライバーに異常が発生した時,(3)ドライバーが運転出来ないと判断された時の3つの基本機能がドライバーの状態に応じて(1)~(3)の順に作動する。(1)ドライバーが通常の運転をしている時 ドライバーが通常の運転をしている時は,ドライバーの状態を常にモニタリングし,姿勢の崩れ,視線や頭部の挙動,そして,ハンドルやペダルの操作をセンシングし,総合的にドライバーの状態を検知し,運転が継続できるか判断している(Fig. 7)。Sudden IllnessSource: Road Tra■c Statistics from Institute for Tra■c Incorporated Foundation in Japan)Fig. 7 Monitoring the Driver’s State of Being and the Driver’s OperationsFig. 8 Driver Assistance to Ensure a Safe ConditionFig. 9 The System Drives and Deals with the Emergency  これらの基本機能がドライバーの状態に応じて順に作動することにより,事故発生のリスク・被害を軽減し,早期のドライバーの救護・救命に寄与する。4.1 ドライバー状態検知技術 内因性疾患による発作・急病などの体調急変や眠気・居眠りなど,ドライバーの状態に起因する事故発生のリスクを軽減するため,システムが常にドライバーを見守るのがドライバー状態検知技術である。 2015年から車両のふらつきを統計的に判定することで運転操作のリスクを推定する機能を商品導入した。2019年に市場導入したMAZDA3以降は,ドライバーモニタリングカメラにより,視線・顔向きから判定する脇見検知,瞼の動きなどから眠気を判定する眠気検知を商品化し,ドライバーが要因となるリスクの低減に取り組んできた。 一方,ドライバーの意思では防ぎきれない運転中の体Instead of the Driver

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