Mi-DriveのHMIは,運転に集中した走行状態でも安全かつ直感的にモード切り替えができるように,シンプルな操作と明確なフィードバックを実現した。更に,走行シーンに応じて積極的にモードを切り替えたくなる,ドライバーへの走りの期待感醸成を目指し,リッチな視覚効果を実現した。3.1 直感的でシンプルな操作方法 スイッチのレイアウトは,車両運動制御のスイッチとして容易に想起できるよう,シフトレバー近傍のコン―184―3. Mi-DriveのHMI2.1 Mi-Driveのコンセプト 日常生活においては,オンロードでの走行が大半を占める。一方,アウトドアアクティビティを楽しむ際には,未舗装路や路面起伏の激しい悪路などさまざまな路面を走行する場合がある。加えて,トレーラーを牽引するシーンでは,トレーラーに起因する荷重状態変化によって車両が不安定になりやすく,ドライバーや同乗者へ不安を与える場合がある。Mi-Driveは,このようなアクティブなライフスタイルを楽しむ際のさまざまな使われ方において,ドライバーに任意のモード選択によってシーンに合わせた最適な走りを提供することを目指した。オンロードでの人馬一体の走りはそのままに,ダイナミクス性能に関わるさまざまな機能を統合して制御するSKYACTIVVEHICLE DYNAMICS技術を最大限に活かして,走行条件が大きく異なるそれぞれのシーンに最適化した「人馬一体の走り」を実現することをねらった(Fig. 2)。Fig. 2 Image of Expanding Jinba-Ittai Performance2.2 Mi-Driveのシステム概要 今回開発したMi-Driveは,ドライバーとのインターフェイスに関わるHuman Machine Interface (HMI) システムと走行性能に関わる車両運動制御システムと,それらを調停するボディー制御システムの3つのシステムから構成される。HMIシステムにはドライバーからの入力を検出して選択モードの情報をドライバーに伝達する機能を配置し,車両運動制御システムには,車両運動に関連する各ECUに各走行モードに関わる制御機能を配置した。ボディー制御システムがドライバーの入力情報と車両状態からモード調停を行い,HMIシステムと車両運動制御システムへ指示を出すことで,各システムが連携してモード切り替えを実現するシステムとした(Fig. 3)。Fig. 3 Conceptual Image of Mi-Drive一体の領域拡大を目指して,マツダ独自の技術をあらゆる環境/走行シーンで提供する新たなドライブモード「OFFROAD」,「TOWING」を開発した。更に,それらを統合的に制御してドライバーが直感的に操作選択できるドライブモード切り替えシステムMazda intelligent Drive Select(Mi-Drive)を開発した。2. Mi-Driveの概要 また,今回CX50向けに開発したMi-Driveには,「NORMAL」,「SPORT」,「OFFROAD」,「TOWING」の4つの走行モードを採用した。これらの走行モードは,エンジンやAT,AWD,GVectoring Control(GVC),Traction Control System(TCS)などのさまざまな機能を統合して制御することで車両全体の特性を各モードのニーズに最適化している。各走行モードの概要を以下に示す。・NORMAL舗装路での燃費と走行性能のベストバランスを追求したモード・SPORT応答性を優先して積極的な走りをサポートし,リニアリティの高い走行性能を実現したモード・OFFROADアウトドアシーンにおける未舗装路や深雪等悪路走行時のトラクションを重視したモード・TOWING走行時の安定性を最大化し牽引していないかのように楽に運転できる走行性を実現したモード 以降,今回のMi-Drive開発において注力したHMI領域と新たに設定した「OFFROAD」と「TOWING」について詳細に説明する。
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