マツダ技報 2022 No.39
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VdiffFRin==(1)≥)) =⎧Vdiff⎨V⎩diff KPCは,サスペンションジオメトリと制動力の組み合わせによってヒーブ抑制を実現する車両運動制御である。Fig. 3に制御ロジックの概要を示す。コーナー旋回中のヨーレイトrの発生に伴い,リアの左右車輪速VO,Iの差であるVdiffが制御介入閾値Vthreshhold以上となると,旋回内後輪へ制動力FRinを付与することでヒーブの抑制に必要なアンチリフト力FALが車体に加わる。KPCで旋回内後輪に制動力を付与する制御は,Direct Yaw-Moment Control(4)(以下,DYC:旋回内外輪の制駆動力差によってヨー運動を促進する制御)と類似しているが,制動力FRinはヨー運動の促進効果がほとんど発生しない僅かな値に留めている。KPCは車両の平面運動を変えることなく,ヒーブのみを制御するというコンセプトに基づいた制御である。―189―Fig. 2 Anti-Lift Force by Brake2. KPCコンセプトFig. 3 Kinematic Posture Control ConceptVRout0−(VVRoutRin−<

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