マツダ技報 2022 No.39
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0446688mmmm―190―Value9902.3101.4951.5050.4803.722.2UnitkgdegdegTable 2 Change of Response by KPC on Simulation at Rear Inner Wheel0.08% Increase0.34% Decrease0.55% Increase3.16% Decrease3. KPCを搭載する車両と実装3.1 車両諸元とサスペンションジオメトリ KPCは,リアのサスペンションジオメトリに応じて,さまざまな車両に適用できる制御方法である。本稿ではその一例として,Table 1の車両諸元であるロードスター(Fig. 6)にKPCを搭載して検証した結果について報告する。4. フルビークルシミュレーションによる検証4.1 フルビークルシミュレーションによる検証(1)車両運動モデル 2章で述べたKPCコンセプトの有効性を検証するため,先行研究(5)の車両運動モデルを用いて,フルビークルシミュレーションを行った。このモデルは,平面運動に加えてばね上の3次元運動を再現する力学モデルであり,サスペンション機構を考慮している。サスペンションを通して,タイヤの前後・横力が車体に伝わり,発生するバネ上車体のロール,ピッチ及びヒーブを解析できる。なお,シミュレーションで用いた車両諸元はTable1と同じである。(2)シミュレーション結果 シミュレーション条件は,Fig. 8に示すように,車速54[km/h]で進入し,操舵角を80[deg]まで切り込んでから切り戻すUターン旋回とした。KPC ありの場合は,実走行車両で発生する平均的な制御量として,ピーク値が約30[N](ブレーキ液圧換算で約0.1[MPa])の制動力を旋回内後輪に付与した。 KPC OFFに対するONの切り込み操舵途中の過渡的な車両の平面運動とバネ上車体姿勢の変化を確認するため,切り込み側の操舵角60[deg]時点におけるKPC OFFに対するONの各車両運動パラメーター変化をTable 2に示す。Fig. 5 Control Operating Concept Depending on the Di■erent Configuration of Di■erentialTable 1 Vehicle SpecificationsDimensionVehicle massWheel baseFront treadRear treadHeight of C.GFront anti-dive angleRear anti-lift angleFig. 6 Test Vehicle3.2 KPCの実装 Fig. 7にKPCのシステム構成図を示す。車両のController Area Network (CAN) 信号を通して車両の状態量を検出し,Powertrain Control Module (PCM) 内で式(1)のKPCコンセプトに基づく演算を行い,Brake Control Unit (BCU) へ制御指令を出力する。市販車両に装着が義務化されている横滑り防止装置Electronic Stability Control (ESC) を利用しており,KPCを搭載する上で追加が必要な装置はない。Fig. 7 Control System ConfigurationFig. 8 Simulation ConditionsSteering Wheel Angle=60[deg]ParametersYaw RateRoll AnglePitch AngleHeave55504510050Time [s]101214101214

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