マツダ技報 2022 No.39
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 Fig. 4に衝突性能の7ケースの荷重条件を示す。なお,7ケースのうち(g),(h),(i),(k)4ケースの目的関数を式(4)で,(f),(j),(l)の3ケースを式(5)で表現している。前面衝突では,剛体壁により一定の速度で動的に圧縮する非線形解析を行い,その際に必要となる潰れ荷重(f)と潰れ変位の特性から決定した潰れ変位区間でのエネルギー吸収量を目的関数とする。Fig. 5に前面衝突で目的とした荷重変位特性を示す。またサイドシル前端にはタイヤからの押し込み荷重(g)を,ダッシュパネルの中央部にはエンジン上部からの押し込み荷重(h)を,フロントサスペンション後部取り付け部近傍にはエンジン下部からの押し込み荷重(i)を想定した静的荷重条件を与える。後面衝突では後突バリヤのバンパー部を模擬した剛体壁(j)により動的に圧縮し,潰れ変位区間でのエネルギー吸収量を目的関数とする。また,サイドシル後端にはタイヤからの押し込み荷重(k)を想定した静的荷重条件を与える。側面衝突では,側突バリヤのバンパー部を模擬した剛体壁(l)で動的に圧縮し,潰れ変位区間でのエネルギー吸収量を目的関数とする。 Fig. 6にNVH性能に関する,2ケースの車体の骨格振動応答の入力条件を示す。これらは走行時のサスペンションから車体への入力を想定して,ダンパーやサスペンション部品の取り付け部をフロントサスペンション群とリヤサスペンション群とに分け,それぞれの6点の入力点に対して3方向の多点加振条件を与えた。目的関数は動剛性の最大化を狙って,2~300 Hzでの応答の積分値の最小化とする。―202―(a)3-node Bending (c)2-node Torsion (e)Floor Panel Bending Fig. 3 Load Case for Vehicle Body Sti■ness (b)Bending(d)Torsion(f)Front Crash(h)Engine Upper Load(j)Rear CrashFig. 4 Load Case for Vehicle Body CrashworthinessFig. 5 Normalized Energy Absorption Target in Load-(g)Front Side Sill Load (i)Engine Lower Load (k)Rear Side Sill Load (l)Side Crash displacement Curve取り付け点に上下荷重を与えている。特定の箇所への拘束条件は与えておらず,慣性リリーフ条件で計算を実施する。目的関数は剛性の最大化をねらい,ひずみエネルギー最小化とする。

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