マツダ技報 2022 No.39
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釼持 寛正 (1) 藤川智士:マツダの目指すモデルベース開発,マツ(2) 小平剛央ほか:複合領域最適化とトレードオフ分析―224―(a)Previous process(b)Proposal processFig. 19 Structural Design Process 参考文献小平 剛央 により車体ねじり剛性,ねじり固有値が向上することを示し,本手法の妥当性も検証により明らかにした。また,車体ねじり剛性を改善させることで,側面衝突や他の固有値の改善も見られ,本手法の適用により,複数の性能を同時に満足する設計解を発想できる可能性を示した。 本研究を含む対話型設計支援技術は,Fig. 19(b)に示すプロセスに対応しており,Fig. 19(a)の従来プロセスに対して構造検討サイクルの極小化が期待できる。今後は,寄与分析などの分析技術との連携により弱点となり得る部位を明示し,より効率的に性能向上に寄与する部位を発見できる可視化分析手法を開発していく。また,大幅な計算工数,リソースを要するU*解析の計算短縮化を行い,更なる開発の効率化に向け取り組んでいく。ダ技報,No.31,pp.44-47(2013)による車体構造の軽量化に向けた設計知見の抽出,電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌),Vol.134,No.9,pp.1348-1354(2014)(3) 立川智章ほか:インタラクティブ散布図行列可視化ツールiSPMの開発,計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2015(SSI2015)講演論文集, pp.648-652(2015)(4) 近藤俊樹ほか:自動車車体における構造知見の効率的発見のための設計支援技術の開発(1)進化的因子抽出と因子選択確率を利用した非線形スパースモデリングの提案,第31回設計工学・システム部門講演会前刷集,No.2202,pp.1-10(2021)(5) 本田正徳ほか:高強度・薄板中空フレーム曲げ強度の質量効率を向上させる断面形状の研究,日本機械学会論文集,Vol.87,No.900,pp.21-00096(2021)(6) 信夫学ほか:乗用車車体構造における荷重伝達とその経路,自動車技術会論文集,Vol.26,No.3,pp.126-131(1995)(7) 高橋邦弘ほか:構造物内部における荷重伝達経路の新たな表現方法,日本機械学会論文集A編,Vol.71,No.708,pp.1097-1102(2005)(8) 自動車技術会:自動車技術ハンドブック設計(デザイン・車体)編〈第4分冊〉,pp.60-65(2016)■著 者■岡本 定良

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