マツダ技報 2022 No.39
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―230―1. はじめにAiming for realizing weight reduction, riding comfort, and steering stability, we developed a one-component heat-curable epoxy-based structural adhesive for vehicle body rigidity, which has excellent deterioration resistance as well as corrosion resistance. Taking the fundamental functions of adhesion as shielding and adhesion, we assumed that these functions enables both corrosion-resistance and adhesive-strength to be highly maintained in the wet environments. Therefore, we elucidated the mechanism of adhesive defects occurrence, which has a risk of lowering shielding performance, and derived the requirements of adhesives with excellent corrosion resistance. We have confirmed that corrosion resistance including galvanic corrosion and water/moisture resistance adhesive strength are improved in the practical adhesive.Technical Research CenterProduction Engineering Div.Motoyasu AsakawaHiroyuki NagatomoKazuhi KogaTatsuya EzakiVehicle Development Div.Katsuhiro FukudaNobuaki WatanabeKey words:Adhesive, Reliability, Defect-control, Viscosity, Rheology, Corrosion, Water resistance, EpoxyDevelopment of Body Rigidity Adhesive with High Corrosion Resistance麻川 元康*1古賀 一陽*2福田 克弘*3渡邊 伸明*4長友 博之*5江﨑 達哉*6論文・解説38 カーボンニュートラル社会の実現を目指し自動車からのCO2排出量削減のため,さらなる車両の軽量化が求められている。その社会的責務に応えつつ,商品性の観点からは操縦安定性や乗り心地,静粛性の向上も重要である。これらの解決手段の一つとして,マツダは車体における剛性と減衰性を制御するための接着接合技術の開発に取り組んでいる。剛性については1990年代からウェルドボンド接合として実用化している。一方,減衰性に関しては,減衰制御構造(減衰節構造と減衰ウェルドボンド接合)及び,本構造に使用する減衰用接着剤を2019*1,6  技術研究所 *4  技術本部 年に実用化(1)-(3)し,乗り心地と静粛性を大きく向上した。しかし,剛性及び減衰用途の接着接合は接着欠陥に起因した接合部の腐食リスクがあるため,被水環境が厳しい部位への適用は行っていない。接着欠陥は接着未硬化状態での,接着部の隙間の変動や,熱,湿度が要因となって発生する。例えば,部品組付けや抵抗スポット溶接(以下,RSW),塗装といった複数の工程で板隙間の変動が生じる可能性がある。また,モジュール部品組み立て過程の,サプライヤーからの搬送・仮保管で梅雨時期には,多湿環境に暴露される可能性もある。 接着欠陥のうち,電着乾燥炉内での加熱硬化過程で,Fig. 1に示す溝形状のくぼみ(以下,溝欠陥)が重ね継*2,3,5  車両開発本部 要 約 車両の軽量化と乗り心地,操縦安定性の向上をねらった構造用接着剤の適用部位拡大のために,耐食性に加え耐劣化性に優れた,1液加熱硬化型エポキシ系の車体剛性用接着剤を開発した。接着の機能を,「接合面内を外界から遮蔽しながら被着体どうしを密着させること」ととらえ,これらによってウエット環境下での,耐食性及び接着強度を高く維持できると考えた。そこで,遮蔽性低下の要因となる接着欠陥の発生メカニズムを解明し,耐食性に優れる接着剤の要件を導出した。併せて密着性向上も検討し実用化した接着剤では,ガルバニック腐食も含めた耐食性及び,耐水・耐湿接着強度が向上していることを確認した。Abstract耐食性に優れた車体剛性用接着剤の開発

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