マツダ技報 2022 No.39
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花岡 輝彦 池田 卓 (2) 中華人民共和国政府:Electric vehicles traction (3) D. Ren et al.: Model-based thermal runaway (1) J. Kasnatscheew et al.: Do Increased Ni Contents in LiNixMnyCozO2 (NMC) Electrodes Decrease Structural and Thermal Stability of Li Ion Batteries? A Thorough Look by Consideration of the Li+ No.11, p.7733 (2019)battery safety requirements, p.24 (2020)―240―4. おわりにprediction of lithium-ion batteries from kinetics analysis of cell components, Applied Energy, Vol.228, p.633(2018)Fig. 9 Simulation Results of Module Thermal Propagation when the Material of the Separator is Extraction Ratio, ACS Appl. Energy Mater., Vol.2, Changed参考文献樋口 宗隆 藤田 弘輝レーション結果を受けて,同モジュールの安全性向上の検討と,シミュレーションモデルによる効果検証を実施した。具体的な検討策として,セル1とセル2の間に設置するセパレーターの材料をポリプロピレンから断熱性に優れるエアロシリカゲルに変更した場合の安全性への効果を検証した。本検証結果として,セパレーター材料がそれぞれポリプロピレン,シリカエアロゲルの場合における隣接セル2の温度の時間変化をFig. 9に示す。それぞれの結果を比較すると,セパレーターがポリプロピレンの場合のセル2の温度がピークに達する時間が730sであるのに対し,シリカエアロゲルの場合は830sにピーク温度を迎えており,本材料の変更により熱連鎖の発生の100s遅延が期待できる結果が得られた。 今回,電極体を必要最小限に分割することで,セル内部短絡時の熱暴走挙動を高速で予測できる1次元シミュレーション技術を開発した。また,セル内部の正極,負極の発熱挙動を定量的に計測し,モデルパラメーターを導出することで,活物質の種類がセル熱暴走時の挙動に与える影響を予測できる技術も構築した。構築した1次元シミュレーションモデルはモジュールスケールに拡張することで,モジュールの熱連鎖挙動を予測するとともに,安全性向上に向けた検討の効果検証に活用可能である。■著 者■梶本 貴紀

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