―241―1. はじめにMazda has been working to reduce burden on the environment from the perspective of life cycle assessment (LCA), based on its long-term vision for technology development, the Sustainable Zoom-Zoom Declaration 2030. In this context, to expand the use of locally produced and locally consumed renewable energy, Mazda has jointly developed EV driving batteries which are used as stationary storage batteries with the Chugoku Electric Power Co. and Meidensha Corporation. Some of the case studies will be presented in this paper. First, we will discuss an overview of the demonstration experiment in which multiple EV drive batteries were reused as stationary storage batteries. Next, we will explain the issues regarding the reused batteries and our approach and test methods to solve these issues. Finally, we will explain future issues for the use of reused batteries that were identified in the demonstration experiment, and propose initiatives for highly e■cient development.Technical Research CenterIntegrated Control System Development Div.Technology Planning Dept.Tenyu YanShinji TakaharaTakamasa SuetomiKey words:Carbon neutral, Reuse battery, Electronic controlEV駆動用バッテリーのリユースに向けた取り組みの紹介Introduction of Initiatives for Reuse of EV Drive Batteries論文・解説40 マツダは,2017年に「地球」「社会」「人」それぞれの課題解決を目指す新しいチャレンジ「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」(1)を公表した。その中で特に地球環境問題の解決に関しては,温室効果ガスの大幅削減を目指し,再生可能エネルギーの導入などクリーンなエネルギーミックス(電気の発電に使用するエネルギー源の構成)の推進と,更なるエネルギー効率化が重要と考えている。しかし,太陽光,風力などの再生可能エネルギーは天候によって発電量が大きく変動し不安定である。そのため,再生可能エネルギーを最大限導入するためには,発電量の変動を吸収するための蓄電池が必*1 技術研究所 *3 統合制御システム開発本部 要となり,需要の増加が予想される。 一方,蓄電池を構成する部材の資源は有限であり,資源不足解消のため有効活用が求められる。その実現手段として,蓄電池の部材リサイクルも重要であるが,その前に長期利用やリユースができるのであれば,更に資源をより有効に活用できる。そこで,中国電力(株),(株)明電舎及びマツダは,各社の保有技術の強みを活かし,EV駆動用バッテリーのVPP(Virtual Power Plant=仮想発電所)リソースとしての可能性を検証するため,実証試験を行い,地産地消型の再生可能エネルギー利用拡大を目指した取り組み(2)を行った。 本稿では,上記実証試験を通して得られた複数のEV駆動用バッテリーを定置用蓄電池としてリユースした場合*2 技術企画部 楊 殿宇*1高原 慎二*2末冨 隆雅*3要 約 マツダは,技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づき,ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から,環境負荷低減に取り組んでいる。その中で,EV駆動用バッテリーを定置型蓄電池として活用し,地産地消型の再生可能エネルギー利用拡大を目指した取り組みを,中国電力(株),(株)明電舎と3社で行っている。本稿では,その事例について紹介する。まず,複数のEV駆動用バッテリーを定置用蓄電池としてリユースした実証試験のシステム概要について述べる。次に,リユースバッテリーの課題,課題解決のための考え方とその試験方法を説明する。最後に,実証試験で得られた試験結果から二次利用における今後の課題と高効率な開発に向けた取り組みを提案する。Abstract
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