マツダ技報 2022 No.39
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(Fig. 7)と定性的に一致している。 以上のことにより,新燃焼コンセプトにより燃焼時期と燃焼期間を理想状態に近づけつつ,クリーンな燃焼が実現できることが確認できた。 ―17―331_LS_PCD601_ZD_PCD331_LS_CDC331_LS_PCD601_ZD_PCD-4- Fig. 8 Calculated Mixture DiFig. 9 燃焼室を発な3deのに対しいる。こている。以上の燃焼期間できるこ前述のジンへ適ンに求めカーボン焼ロバス目されてはセタンSoot悪化3 deg.ATDC5 deg.ATDC High Low 7 deg.ATDCon φ-T Map 4. 新燃焼コンセプトの実用化Fig. 8 Calculated Mixture DistributionFig. 9 Calculated Mixture Distribution on φ-T MapFig. 9 Calculated Mixture Distribution  また,Sootの計算結果では,従来の燃焼室形状とノズル仕様のまま噴射パターンのみをTDC付近に寄せたDCP_SL_133の場合にはSootが悪化するのに対して,2段エッグ燃焼室と小径ノズルを用いたDCPCIではSootが大幅に低減できている。 Fig. 8には,当量比分布の計算結果を示す。各条件の各噴射段の噴射終了(EOI)時期における噴射軸断面である。噴射量が比較的に多い1段目と3段目の噴霧に注目して考察する。CDC_SL_133 とDCP_DZ_106の1段目噴射から,従来の燃焼室で噴霧をスキッシュエリアとキャビティ領域に分配させるためには早期噴射を行う必要がある一方,新燃焼室ではTDC近傍の噴射でも噴霧が燃焼室の上下空間に分配できることが分かる。3段目噴射に注目すると,従来の燃焼室のまま噴射のみTDC付近に寄せたDCP_SL_133では,前段噴霧の大半が燃焼室キャビティに分布しており,そのリッチ領域と3段目噴射とが強く干渉している様子が分かる。これに対して,DCP_DZ_106では,前段噴霧が燃焼室の上下に分割され,3段目噴霧の前段噴霧との干渉が低減されている。この前段噴射と後段噴射の干渉は,Fig. 4の熱発生率における後燃えとFig. 7におけるSoot排出量増加の原因になっていると推察される。 Fig. 9には混合気の φ-Tマップ上の分布を示す。従来の燃焼室を用いたCDC_SL_133とDCP_SL_133では燃焼が活発な3deg~7degにSoot生成領域への分布が多くなっているのに対して,DCP_DZ_106ではSoot生成領域を回避できている。これらの傾向はSoot排出量 新燃焼コンセプトの効果検証として,燃費,エミッション,NVHに関わる諸性能について旧型エンジンとの

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