―21―1. はじめにA new 3.3-liter inline six-cylinder diesel engine has been developed. In addition to the high power realized by its large displacement, the combination of the large displacement and a new combustion method devised in pursuit of ideal combustion has achieved the world’s highest level of thermal e■ciency and clean emissions in a wide operating range. The engine is therefore able to deliver “driving pleasure” enhanced by its six-cylinder sound and strong torque and “outstanding environmental performance” thanks to its distinguishingly low fuel Key words:Heat engine, Compression ignition engine, Performance/fuel economy/e■ciency, Emissionsconsumption. Engine Performance Development Dept.Powertrain Development Div.Daisuke ShimoAtsuhiro HatabuHiroshi MinamotoHisashi OkazawaDaisuke FukudaKouji TsujiEngine Design Engineering Div.Kiyoaki IwataShinichi MorinagaDaisuke MatsumotoSKYACTIVD 3.3の開発 Development of the Skyactiv-D 3.3 and Pursuing the Ideal of Combustion— マツダは,初代SKYACTIVエンジン導入時より「適正な排気量の選択」を提唱しており,ラージ商品群の開発にあたっては求められる高い商品性能と環境性能を同時に達成するため3.3Lへの大排気量化,及び直列6気筒化を選択した。これによりお客様への提供価値としての「走る歓び」と「優れた環境性能」を以下のように高めた。*1~4,9 エンジン性能開発部 *8 パワートレイン開発本部 特集:MAZDA CX6004―大排気量・直列6気筒と燃焼の理想追求による提供価値の向上―—Increased Value Provided by Large Displacement In-line 6 Cylinders 志茂 大輔*1皆本 洋*2福田 大介*3岩田 陽明*4松本 大典*5旗生 篤宏*6岡澤 寿史*7辻 幸治*8森永 真一*9「走る歓び」:✓ どこまでもアクセルに追従する力強いトルクと心地よい直列6気筒エンジン音により運転する誰もが愉しく元気になる加速「優れた環境性能」:✓ 実用域での世界トップの熱効率による抜群の低燃費(Largeクラスで従来Smallクラス並の燃費,Mild Hybridとの組み合わせで競合Strong Hybrid並の燃費)*5~7 エンジン設計部 要 約 カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー発電への移行期において,将来的な再生可能燃料の選択肢も考慮し,現実的なCO2削減のためには電動化とともに内燃機関の効率改善によるマルチソリューションが有効であると考えられる。その一つの答えとして新世代クリーンディーゼルエンジンSKYACTIVD 3.3を開発した。排気量を従来の2.2Lから3.3Lに拡大することで高トルク・高出力化は元より,理想を追求したリーン予混合燃焼の拡大の手段としても大排気量化を用いることで,乗用車量産エンジン世界トップの実用域で広い熱効率,及び排気クリーン化を達成した。また低Pmax(最大燃焼圧)対応の構造系を進化させて摩擦抵抗を抑制し,更に直列6気筒による低振動と心地よいエンジン音を創り込んだ。これらの技術によって運転者が愉しく元気になる「走る歓び」,及び抜群の燃費とクリーン排気による「優れた環境性能」の両方をこれまでにない次元にまで高めた。Abstract
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