マツダ技報 2022 No.39
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Φ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■ ■■■0―24―PPrreemmiixxeedd■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■DDCCPPCCIIDDiissttrriibbuuttiioonn ddiivviiddeeddccoonnttrroolllleedd⇒⇒CClleeaanneemmiissssiioonnss⇒⇒ HHiigghh tthheerrmmaall eeffffiicciieennccyy20304010■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■Φ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■ratio ΦCCoonnvveennttiioonnaallCCoommbbuussttiioonnTTiimmiinnggddiivviiddeedd ccoonnttrroolllleedd⇒⇒ TThheerrmmaalleeffffiicciieennccyy lloossss■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■Φ■■■■■■■■■■■■■■■■■■Φ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ratio Φ■■■■■■■■■■■■ratio Φ■Φ■■■■■■■■■■■■■■■-40-30-20-1050■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■Egg / ε14.4■■■■■■■■■■Egg / ε15.2■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■“Dual Zone Egg shape”Air Entrainment■■■■■■■■■■■■Φ0.106×■■■■■■■°Φ0.133×■■■■■■■°■■■■■■■■■■■■■■■■■■■:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■New 3.3LEarlier Inj.Later Inj.Restrain interference Earlier Inj.by dividing spray into upper & lower zone■■■■■■■■■■■Fig. 7 Dual Zone Egg Shape Concept of Piston Bowl 新型エンジンにおけるDCPCI燃焼の燃料噴射率と熱発生率の実機試験結果,噴霧混合気のCFD解析結果を従来型と比較してFig. 8に示す。運転条件は1500rpm中負荷BMEP600kPaである。CFD結果に示すようにTDC前に噴射する1段目と2段目の噴霧は何れも燃焼室リップへ衝突させてその後上下の燃焼室空間で予混合気を形成する。TDC付近で1&2段目の噴霧予混合気が着火して熱発生が始まってから3段目を噴射するが,3段目の噴霧が混合気を形成する空間には高温の燃焼ガスが存在しないため,3段目の噴霧も十分に空気を取り込んで予混合気を形成してから着火に至る。3段目の噴霧もリップに衝突させて上下の燃焼室空間に移動していく中で,混合気を形成する空間が確保できた所に4段目を噴射する。この時期の混合気ΦTマップ解析からはSoot領域をかすめる程度まで予混合気をリーン化ができていることが観察される。次に4段目の噴霧が移動してできた空間に5段目を噴射する。このように2段エッグ燃焼室と高応答燃料インジェクターによる噴射量&時期の最適化によって噴霧混合気分布を空間的に制御することで,3,4,5段目の噴霧も空気を十分に取り込んで予混合気を形成できるようにしている。また噴霧予混合気を形成するための機能の一部を着火遅れへの依存から2段エッグ燃焼室に配分したことで,新型では従来の14.4から15.2への圧縮比向上を実現している。Fig. 8 Engine Test and CFD Results of DCPCI (Distribution Controlled Partially Premixed Compression Ignition)Fig. 9 Multiple Injection Control MAP and Test Results of Heat Release Ratio, Emissions, Noise, and FC4.2 大排気量化と空気マネージメント 新型は加速性能,燃費性能,排気性能の全てにおいて2.2L 79Nm 2.2L 300kPa3.3L 79Nm,300kPa2.2L 158Nm 2.2L 600kPa3.3L 158Nm,600kPa2.2L 263Nm 2.2L 1000kPa3.3L 263Nm1000kPa 一方,従来型エンジンは中負荷BMEP600kPaにおいて,排気の悪化を防ぐために早期パイロット噴射,リタードメイン噴射,更に大きくリタードしたアフター噴射によって時間的に分割することで噴霧の干渉をできるだけ回避しているが,燃焼期間が長くなって熱効率の損失が大きかった。また混合気のΦTマップ解析では拡散的な燃焼に伴うリッチな混合気が観察される。Fig. 9に1500rpmの負荷違いにおける熱発生率と各性能の実機評価結果について新型と従来型の比較を示す。負荷はトルクNmと平均有効圧kPaを併記している。トルク79Nmにおいて従来型は早期パイロット,メイン,アフター燃焼によって時間分割した拡散型燃焼であったが,新型は大排気量化の効果でPCIが適用できるようになり,図示燃費率を約4%改善しSmokeも大幅に改善している。中負荷158Nmにおいても従来型は時間分割した拡散型燃焼であったが,新型はDCPCIを適用して図示燃費率を約6.3%改善している。更に中高負荷263Nmにおいては,従来型はメイン燃焼を大きくリタードした拡散型燃焼としていたのに対し,新型はDCPCIを適用してTDCでの燃焼を実現しており図示燃費率を約9.5%改善し,かつNOxも大幅に低減できている。なおこれらの図示熱効率の改善には燃焼時期と燃焼期間の改善に加えて,圧縮比の上昇,予混合燃焼化による高温燃焼ガスと燃焼室壁面との接触部の流速低下,及びスチールピストンによる壁温上昇の効果(5)も含まれる。

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