マツダ技報 2022 No.39
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)210il0tratseR]-[mN(euqroT0.20.180.16no0.14itu0.12birts0.1id y0.08tilib0.06abo0.04rP0.020120 engnETV-SrednilyC―39―1.81.61.41.20.80.60.40.2Fig. 9 Rich Mixture Formation by Multiple 4. MHEVのDEへの適用,個別技術IVC120deg18001400de1000ep600S200-20012090e60gn30A0-308 e6rus4se2rP010N0.02140160400rpm1MPaPiston Stop Crank Angle [deg.BTDC]0.10.20.3Time ( sec)TargetTarget Range0.40.5IVCImage of PistonStop Positon180degwith ControlIVC200deg30degAdvance240without Control180200220Fig. 7 Probability Distribution of Piston Stop Crank 3.2 電動SVTによるエンジン起動抵抗の削減 再始動初期のエンジン抵抗は摩擦損失と圧縮行程気筒の圧縮抵抗で形成され,後者が支配的である。第1報にて報告した摩擦損失の削減(1)に加え,Fig. 8に示すように吸気SVTを用いて吸気バルブを最遅角の状態で保持してクランキングを開始することで,始動時の最初の圧縮行程となる気筒の圧縮抵抗を大幅に削減する。ピストンの上昇が進んで吸気バルブが閉じると同時に吸気SVTの進角を開始し,以降の気筒は圧縮抵抗の低減よりも吸入空気量の増加を優先させて燃焼トルクを確保する。これにより再始動に必要な応答性を確保している。Fig. 8 Electrical SVT Behavior at Engine Restart3.3 少量多段プリ燃焼制御技術の拡大による着火性 前述の電動SVTによるリタード再始動により圧縮気筒の筒内温度・圧力は通常時に比べて低いため燃料は着火AnglePre-Injections布をFig. 7に示す。再始動に必要なモーターアシストトルクが最小となる下死点(図中180deg.BTDC)付近にピストン停止位置をコントロールできていることが分かる。向上しにくい。このような筒内環境下で確実に着火させるには,燃料リッチな混合気を燃焼室内に長期間維持する多段プリ燃焼制御技術(2)が有効である。SKYACTIVD 3.3ではリタード状態から再始動を行うため従来機種よりも着火性が悪い。そこで従来の3段プリ燃焼を7段まで増加した。Fig. 9に示すように従来よりもリッチ混合気を上死点まで長期間維持できており,リッチ混合気領域は緩やかに減少している。このように前段噴射の更なる多段化により再始動時の確実な着火を確保した。 前述したMHEVによる回生,EV走行によるCO2改善に加え,DEユニークの燃費ロス刈り取り並びに,ドライバビリティ向上にもMHEV48技術を最大限活用した。4.1 燃費改善:λコントロール,再生協調(1)過渡運転時λコントロール SKYACVTVDは高効率過給によってリーン燃焼を実現し燃費改善を図っているが,実運転状態によってはターボチャージャーの応答遅れが発生する。Fig. 10に示すように,応答遅れが発生しているシーンでは,リーン燃焼の度合い表す空気過剰率(以降,λ)が低下し,図示燃料消費率(以降,ISFC)が悪化する。SKYACTIVD 3.3では,大排気量へのアップサイジングコンセプトによって,こうしたシーンでもλを改善しリーン燃焼を進化させている。その上で,MHEV48付き仕様においては,モーターアシストを活用し積極的に λ をコントロールする技術を開発し実装した。Fig. 11に緩加速時の動作概念を示す。加速中の空気量と目標燃焼トルクからλ悪化を予測し,λ の悪化が大きい場合は,追加でモーターへトルクを配分し,システムトルク同一のままエンジントルクを抑制する。その結果,同等過給圧(空気量)下で燃料噴射量を抑制し,λ が上昇してリーン燃焼化することで,ISFCが改善している。なお,踏み込み量に応じて本制御

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