マツダ技報 2022 No.39
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0 0 SKYACTIVDシリーズの開発においては走り,燃費,エミッション各性能の背反とバランスを考慮しながら全ての性能を高めるため,1DモデルによるMBDに注力してきた。新世代SKYACTIVD 3.3においてはそれを拡張して,開発初期の機能配分から開発後期のロバスト検証まで,一貫して1Dモデルを規範モデルとして用いて機能開発の理想を追求するMBDプロセスへと変革した。これによりエンジンの大排気量化と燃焼の理想追及に加え,48Vマイルドハイブリッドとトルコンレス8速ATを組み合わせた独創的な技術コンセプトをシステムとして具体化し,アクセルにどこまでも追従する力強い加速による「走る歓び」と国内WLTCモードで21km/Lを達成する「優れた環境性能」の実現につなげた。カーボンニュートラルに向けた移行期において,電動モーターと高効率な内燃機関の両立を搭載した車両がCO2削減の有効かつ現実的な方法となる中で,その開発のためのあ―49―-6- bient:37℃itude:1300m01001200100120tityStop Water Flow to Inter Cooler20km/h500rpm10℃Full OpenFull CloseFull DutyFeel Fig. 15 LT Thermal Fuel Economy Development Study Fig. 15 LT Thermal Fuel Economy Development Study 3.4 高外気温度環境に対するロバスト性検証 3.4 高外気温度環境に対するロバスト性検証高外気温環境においてのシステム冷却系は重要な課題で 高外気温環境においてのシステム冷却系は重要な課題ある。Fig. 7に示した冷却回路によってエンジン,電動デバである。Fig. 7に示した冷却回路によってエンジン,電イス,トランスミッションの各々が信頼性限界温度に達し動デバイス,トランスミッションの各々が信頼性限界温ないよう設計が必要になる。加えて,市場での頻度は低い度に達しないよう設計が必要になる。加えて,市場でのが高外気温度でかつ高負荷での使用条件に対してラジエー頻度は低いが高外気温度でかつ高負荷での使用条件に対ターなどのハードウェアだけで冷却性能を担保しようとすしてラジエーターなどのハードウェアだけで冷却性能をると巨大なラジエーターが必要となり,レイアウトや重量担保しようとすると巨大なラジエーターが必要となり,が問題になる。このため,通常環境条件においては必要十レイアウトや重量が問題になる。このため,通常環境条分な冷却性能を持つハードウェアを選定したうえで,高外件においては必要十分な冷却性能をもつハードウェアを気温度特殊環境下での高負荷使用時においては適切な保護選定した上で,高外気温度特殊環境下での高負荷使用時制御を作動させることで,各ユニットの温度を制約内におにおいては適切な保護制御を作動させることで,各ユさめることが肝要となる。しかしながら,特殊な環境でのニットの温度を制約内におさめることが肝要となる。し制御を実機で開発及び検証するためには膨大な工数がかかるだけでなく,オーバーヒートなどの危険を伴う。そこでかしながら,特殊な環境での制御を実機で開発及び検証Fig. 8に示した高速MILS環境を用いた机上開発が重要となするためには膨大な工数がかかるだけでなく,オーバーる。欧州を想定した仕様においてアクセル開度100%全開ヒートなどの危険を伴う。そこでFig. 8に示した高速走行を60分行う場合の,高外気温度環境での保護制御の作MILS環境を用いた机上開発が重要となる。欧州を想定し動検討結果の例をについてFig. 16に示す。エンジン本体をた仕様においてアクセル開度100%全開走行を60分行冷却するHT冷却水温,インタークーラーや電駆デバイスをう場合の,高外気温度環境での保護制御の作動検討結果冷却するLT冷却水温,トランスミッションを冷却するATFの例をFig. 16に示す。エンジン本体を冷却するHT冷却温度それぞれが,限界温度に達しないように,グリルシャ水温,インタークーラーや電駆デバイスを冷却するLT冷ッター,電動ファンの出力を先ずは操作している。更に高却水温,トランスミッションを冷却するATF温度それぞれが,限界温度に達しないように,グリルシャッター,800100012001400Time [sec]No.39(2022) 1600180010℃200Vehicle Speed [km/h]Engine Torque [Nm]CoolingFan Speed [rpm]Water Temperature (High Temp. Circuit) [℃]Water Temperature (Low Temp. Circuit) [℃]AT Fluid Temperature [℃]10min20minAmbient Temp.::25℃℃,,Grade::0%Ambient Temp.::40℃℃,,Grade::0%Ambient Temp.::50℃℃,,Grade::0%Ambient Temp.::40℃℃,,Grade::5%400600800100012001400Time [sec]Protection Control (Engine Torque Suppression)Protection Control (Engine Torque Suppression)Protection Control (Engine Torque Suppression)30min40min10℃10℃16001800200022002400Durability LimitDurability LimitDurability Limitる。マ置いてに対しジンユす必要+電駆シ実施し微分値セルの,環境価して点は認確認でて実車境を活用で,試機能開ィーゼや電駆められCSV,グCSVは要グリル実現す電力の合わせる。そえてウる部分Dモデル」低水温抵抗悪を試み温度を/s2] [m/s2]Vehicle Speed [km/h]Engine Speed [rpm]Water Temperature (Low Temperature Circuit)[℃℃]Non CalibratedCalibratedGrilleShutter Angle [deg]ElectricWater Pump Duty [%]Inter Cooler Flow Control Valve [%]2004006004. おわりにResults ResultsFig. 16 Protection Control during Accelerator Fully Open in High Air Temperature Environment燃費改マツダ技報 電動ファンの出力をまずは操作している。更に高温になった場合にはHT冷却水温,LT冷却水温,及びATF温度それぞれが限界温度に達しないようにエンジントルクを徐々に制限することで,信頼性を担保しつつ最低限の最高速度低下となるように制御している。このような検討をさまざまな車速や勾配,トーイング走行等で実施して,高外気温度特殊環境に対してロバストな冷却性保護制御を構築している。縮水も考慮し最適な温度を実現した上で,消費電力や空エンジン燃焼や電駆部品の効率に加えて,エンジンから発気抵抗悪化が最小化できていることが分かる。結果とし生する凝縮水も考慮し最適な温度を実現した上で,消費電て0.55g/kmのCO2改善を達成することができ,本検討力や空気抵抗悪化が最小化できていることが分かる。結果で構築したウォーターポンプ,CSV,グリルシャッターとして0.55gのCO2改善を達成することができ,本検討での制御ロジックを実車制御に実装した。構築したウォーターポンプ,CSV,グリルシャッターの制御ロジックを実装制御に取り入れた。

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