マツダ技報2023
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Kj22Kc ―95―erusserPdnuoSerusserPdnuoSABd( leveLABd( leveLerusserPdnuoSerusserPdnuoSABd( leveLABd( leveLoitar gnpmad lacitirc ) ) ) )cccjj jξ i0Intermediate rpm EIntermediate rpm DIntermediate rpm C50Hz200Hz/4400Hz/81000Hz/2082 a43jcjcFig. 15 Prediction Method of Airflow Noise Fig. 16 Prediction Result of Airflow Noise Component(2)媒質の物性値の温度依存性の考慮 排気系は高温かつ上流から下流にかけて大きな温度勾配をもつ場である。そのため,NRの正確な予測には,モデル上で実機相当の温度場を再現した上で,媒質物性の温度依存性を厳密に考慮して音響伝達特性を解くことが必要である。これまで,音速や密度については温度依存性を考慮して予測してきたが,本稿では,音速や密度の他に,定圧比熱・定積比熱(5),熱伝導率(6),粘性係数(7),体積弾性率に対して,温度依存性が解析結果に与える影響を検証し,温度依存性を考慮する物性値を決定した。(3)粘性減衰を模擬する音響減衰値の適正化 音とは空気の微小振動であることを踏まえると,音は音が伝わる媒質のもつ粘性により,伝ぱ時に媒質同士,媒質と固体壁(排気管壁面)間で摩擦が生じる。この摩ComponentFig. 17 Theoretical Value of Attenuation4.4 成果 前節までの各課題に対する検討結果を踏まえ,吐出音(次数音)に含まれる気流音成分,物性値の温度依存性,周波数依存の音響減衰を考慮した最終的な4気筒エンジン実稼働時のマフラーのNRの予測精度をFig. 18に示す。加えて,マフラーの内部構造が異なる6気筒エンジン実稼働時のNRの予測精度をFig. 19に示す。Figs. 18,19に示すとおり,マフラーの内部構造に依らず,大幅な精度改善を実現した。Predicted airflow noise A: max rpmnarrowband dataPredicted airflow noise B: minimumrpmnarrowband dataAirflow noise overall level[dB]100020003000400050006000EngineSpeed[rpm]100020003000400050006000EngineSpeed[rpm]narrowband data(12)(13)(14)STEPⅠⅠ:Prediction of airflow noise for max/minimum engine rpmSTEPⅡⅡ:Calculation of proportional multiplierSTEPⅢⅢ:Narrow band data calculation for intermediate rpm2nd orderExperimentalEstimation10dB4th orderNewMethodVelocity10logU[U:m/s]Extract ordercomponents2nd order4th order6th order100020003000400050006000EngineSpeed[rpm]100020003000400050006000EngineSpeed[rpm]6th order8th order0.010.0010.00010.00001200400600Frequency[Hz]8001000代用した。この方法で求めた気流音成分を考慮した実働時のNRは以下の方法で算出した。まず,マフラー上流の管内圧実験結果と予測したNRからマイク位置音圧を算出し,推定した気流音と和をとる。次に,和をとったものとマフラー上流の管内圧実験結果からNRを算出する。擦により音のエネルギーの一部が熱エネルギーとなって拡散し減少する。したがって,音響解析時には通常これらの摩擦によるエネルギーの損失を考慮するために減衰を定義する。音響解析における減衰は,cのように,場の音速cを複素音速として与えることで定義し,虚部/実部(c/)が減衰(臨界減衰比ξに相当)を意味する。 次に,定義する減衰値の考え方について述べる。別途,内部構造違いの複数のマフラーに対し,周波数一律の減衰を複数水準設けてNRの予実の変化をみたところ,周波数によって予実差が最小となる減衰値が異なることが分かったため,本稿では,周波数依存減衰を適用した。周波数依存値の決定においては,減衰発生の物理的なメカニズムを元に,周波数軸に対する固定の減衰の変化率を決定し,その変化率に予実差が最小となる係数を掛け合わせて,最終的な減衰値を決定している。この周波数に対する減衰の変化率については文献(8)の式(15),(16)を参考とした。Fig. 17は,式(16)から求めた臨界減衰比ξをグラフ化したもので,粘性による摩擦に起因して生じる減衰は,理論上1/ω,つまり1/fに比例することが分かる。(15)(16) ここに,  :複素密度[kg/m3]ρ :媒質の密度[kg/m3]μ :媒質の粘性係数ω :角速度[rad/s]a :管半径[m]K :体積弾性率[Pa]ξ :臨界減衰比[-]

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