マツダ技報2023
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PatmPex.2Pex(1) 宮崎ほか:SKYACTIVD 3.3の開発におけるMBDプロセス革新と適用,マツダ技報,No.39,pp.43-50(2022)(2) 池戸ほか:機械学習によるモデリング手法を活用した後処理状態推定 第2報,第33回内燃機関シンポジウム予稿集,(2022)(3) 森安ほか:機械学習によるディーゼルエンジン吸排気系の実時間MPC設計,計測自動制御学会論文集,Vol.3,No.3,pp.172-180(2019)(4) 和田ほか:Neural Networkモデルによるセンサー値予測,自動車技術会春季大会前刷集,No.227(2023)(5) Diederik P. Kingma, Jimmy Ba: Adam: A method for stochastic optimization,In International Conference for Learning Presentations, (2015)(6) Scott M. Lundberg, Su-In Lee: A Unified Approach to Interpreting Model Predictions, (2017)―103―TC回転数=133Fig. 13 Interpolate TC Prediction Results from the Multiple Regression EquationFig. 14 Extrapolate TC Prediction Results from the Multiple Regression Equation128. Fig. 15 Extrapolate TC Prediction Results from the NN Model4. おわりにした。フィッティングの際にはパラメーターのデータ分布などの考察から,4個のパラメーターを3次(交互作用項含む)まで展開した。結果的に重回帰式は定数項を含めて合計35項となった。式(3)に求めた重回帰式の一部を示す。ただし式(3)の両辺の各項は標準化している。(3)(4)学習領域外での重回帰予測 式(3)によって学習領域内である標高0mと領域外である標高3000mのTC回転数を予測した結果をFig. 13とFig. 14に示す。Fig. 13の内挿の精度と同様に,Fig. 14で示す外挿の精度も高いことが分かる。 一方数式ではなくNNで,学習領域外の標高3000mでのTC回転数を予測した結果をFig. 15に表す。高回転側でTC回転数の予測と実測の誤差が大きくなっており,学習領域外ではFig. 14で示した(3)式の予測結果の方が高い精度であることが分かる。実際にFig. 14の重回帰式による外挿は,TC回転数±10000rpm以内の要求精度を94%のデータで達成できている。一方Fig. 15のNNによる外挿では,高回転側の精度が低いため,同要求精度を79%のデータでしか達成できていない。以上の結果から,外挿の精度悪化をNN予測から数式予測に切り替えることで補間する,今回採用した手法は有効であるといえる。 本研究ではディーゼルエンジンのインマニ温度とTC回転数に対して,NNを活用することによって精度良く,かつリアルタイムに予測できることを示した。また市場におけるさまざまな使用環境下を想定し,入力パラメーターが学習領域外に存在する場合に重回帰式による予測に切り替える手法を提案した。これらの技術は他の物理量に対しても応用可能である。今後はコスト低減,レイアウト自由度の向上,車両重量の削減などのバーチャルセンサー化によって得られる価値を考慮し,対象センサーの選定を実施する予定である。またバーチャルセンサーの実用化に向けて,高精度なCAEなどを用いたより広範囲な学習データの生成技術や,実際のECU上での検証,2章で紹介したインマニ温度予測に対する外挿対策の適用も併せて進めていく。参考文献

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