マツダ技報2023
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―105―Key words:Model based development, Infotainment, SysML, MILS, SILSIn the age of CASE (Connected, Autonomous, Shared, Electric), automotive software has been growing in size with systems becoming more and more complex, making it crucial to improve development e■ciency to avoid the collapse of development caused by expanded development scales and post-implementation reworks. So far, model based development has been applied to dynamic control systems such as engine controls and advanced driver assistance systems, and from now on, such development will also be required for information control systems, including infotainment systems that will further grow in the software scale to perform specification verifications at an early stage. Also we challenged e■cient software implementation using automatic code generations. This paper describes the models of information control systems and the development environment of the model exchanges and verifications.Integrated Control System Development Div.Xuefeng BaiSo HonjoTakamasa SuetomiOEMは,ソフトウェア開発の品質管理やリスク管理に十分な注意を払う必要がある。また,パートナー企業とのコミュニケーションや調整を円滑に行うことが重要であり,抜本的な開発の効率化が求められている。2. ソフトウェア開発プロセス2.1 自動車ソフトウェア開発プロセス概要 自動車ソフトウェア開発において,一般的な開発形態としてV字モデルの各プロセス内の作業が全て完了して,次プロセスに進むウォーターフォール型開発プロセスが採用されている。ウォーターフォール型開発プロセスは,ソフトウェア開発の上流活動から下流活動とテスト活動が行われ,段階的に進める手法である。 ソフトウェア開発の上流活動では,ハードウェアも含むシステムとしての要件定義やシステムアーキテクチャ設計が行われる。ユーザー要件を明確化し,システムの1. はじめにModel Based Development of Infotainment Software論文・解説18要 約 CASE (Connected, Autonomous, Shared, Electric) を代表とする100年に一度の変革を迎え自動車のシステムはますます複雑となり,そのソフトウェアの規模は増大している。開発規模が増大し,開発が破綻しないためには開発の効率化が必須となっている。これまでエンジン制御や運転支援システムなどの動的制御系に対してはモデルベース開発を適用してきたが,今後もソフトウェア規模が増大するインフォテイメントなどの情報制御系において,モデルベース開発による早期の仕様検証と,自動コード生成によるソフトウェア実装の効率化に取り組んだ。本稿では,情報制御系のモデリング手法及びモデル交換や検証の開発環境について述べる(1)。Abstract 自動車のCASE (Connected, Autonomous, Shared, Electric) 技術の進化に伴い,システムは複雑化し,ソフトウェアの規模は増大し,開発の難易度が上がってきている。また,CASE技術は急速に進化しており,市場競争が激化している。自動車メーカーは常に最新の技術を採用する必要があるが,新しい技術はソフトウェアの規模を増大させるため,開発の失敗リスクが高まる。更に,自動車のソフトウェアは複数のパートナー企業によって開発される場合がある。例えば,自動運転の開発には,自動車メーカー(OEM),ソフトウェアメーカー,センサーメーカーなどが関わることがあり,コミュニケーションや調整不足の問題が生じる懸念が高まる。 以上のような要因により,自動車のCASE技術に関するソフトウェア開発が破綻するリスクがあるといえる。*1~3  統合制御システム開発本部 白 雪峰*1本城 創*2末冨 隆雅*3情報制御系ソフトウェアのモデルベース開発

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