マツダ技報2023
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らMATLAB Simulinkモデルへの変換)と②実装コード生成のための変換(SysMLモデルからモデル交換ガイドラインに準拠したSysMLモデルへの変換)の2つの変換と,変換に伴うモデルの振舞いの等価性確認を行った。Fig. 6にシステムアーキテクチャ設計にて実施したモデル変換と検証の概要を示す。 Table 1に示すモデリングルールでは対応できなかった一部の変換についてはSimulinkモデル変換後に手動でモ―108―Fig. 6 Overview of Model Transformation5.2 検証用モデル変換と等価性確認 シミュレーションのためのモデル変換(SysMLモデルからMATLAB Simulinkモデルへの変換)について述べる。 SysMLモデルからSimulinkモデルへ変換できないモデルの要素に対しては,変換可能なモデル要素を用いたSysMLモデルを生成できるモデリングルールを作成した。Table 1にモデリングルールの一例を示す。Table 1 Example of Modelling RulesFig. 7 SysML Simulation Execution ModelTable 2 Examples of Manual Modifications After Fig. 8 Evaluation Results from Simulink TESTSimulink Model Transformation 作成したルールに従いSysMLモデルを構築すると同時に,変換前後での等価性を確認するためのシミュレーションを実行した。Fig. 7に実行したSysMLモデルを示す。ここでのテストケースのSysMLモデル(Fig. 7中の左側)とは,例えばユーザー操作の様な要求のSysMLモデル(Fig. 7中の右側)を実行するための一連の入力である。デルを修正する必要があった。Table 2にモデルの修正例を示す。 ここまでの手順で,要求とテストケースのSysMLモデルをSimulinkモデルに変換し,シミュレーション可能となった。次に,要求のSysMLモデルとSimulinkモデルの等価性を確認するため,同じテストケースを用いてSimulinkモデルのシミュレーションを実行し,SysMLモデルのシミュレーション結果との比較を行う。この比較にはMATLAB Simulink TESTを用いた。Simulink TESTでは,対象モデル,入力,評価する出力,評価基準を登録したテストを作成し実行することで,入力に対して指定した出力が評価基準を満たしているかを自動判定できる。そこで,対象モデルを変換後のSimulinkモデル,評価基準をSysMLモデルのシミュレーション結果との各値の変化の順番の一致とし,全てのテストケースに対して出力が評価基準を満たしていれば変換後のSimulinkモデルはSysMLモデルと等価であるといえる。Fig. 8にSimulink TESTによる評価結果を示す。等価性があればFig. 8中赤枠の表示が緑色になる。 ここまでのモデル変換及び等価性確認におけるSysMLモデルの構築ルールやSimulinkモデルでのモデル修正については人手によるミスの混入を回避するためにそれぞれSysMLモデルを作成するDassault Systems社のCameo Systems Modeler(以降,CSM)のプラグインとMATLABプログラム(mスクリプト)により自動修正を行う。以上でシミュレーションのためのモデル変換は完了であり,他の車両モデルと接続したMILSシミュレーションやモデル検査による検証が可能となる。

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