(2)Should build Should buildは,車両法規-ECU Listに記載された「機能番号」の情報を元に,MIDASから10桁の部品番号を―114―Fig. 2 System Overall ~UNR156~4.2 車両法規とHWSWの紐づけ管理 本節では,3.1節に記載した課題に対して,システム化に向けて必要な情報を集約するため,4.2(1)項で構築したプロセスを説明した上で,4.2(2)項でシステム化の内容を説明する。(1)車両法規-ECU Listについて 2.1(1)項に記載のとおり,MIDASでは車に搭載される全ての部品(メカ部品,HW部品,SW部品の全て)を管理している。 Should buildでSW更新に特化して処理を行うためには,MIDASから「HW部品番号」と「SW部品番号」のみを抽出し「車両法規」と紐づけて管理する必要がある。その抽出処理に必要な情報の取りまとめ及び,データを生成するプロセスを構築する必要があった。この対象データを車両法規-ECU List (Vehicle-Regulation-ECU List) と定義し,そのリストの運用プロセスの検討を行った。 また,2.1(2)項に記載のとおり,マツダで運用している部品番号の構成要素のうち,HWとSWの「機能番号」と「車両法規」の紐づけを行っている。 このリストをShould buildへのインプット情報にすることで,MIDAS構成から車両法規ごとに関連するHW部品番号と,SW部品番号を抽出することを可能とした。 Fig. 3に車両法規-ECU Listで管理している情報イメージを記載する。Fig. 3では法規を「UNRXX」のように示し,法規に紐づくECUのHWとSWの機能番号を,「HW001」,「SW001」と表現している。また,各法規に関係しないECUは「irrelevant(関係なし)」と表現している。Fig. 3 Vehicle Regulation-ECU List ImageFig. 5 Should Build Structure Add Image4.3 リプロチェーン情報の自動生成 本節では,3.2節に記載した課題に対して,どのように対応を行ったか記載する。 RCMS2はShould buildにおけるSWやHWの組み合わせ変更/追加をトリガーに,変更/追加された部品番号を特定する。 その後,変化があった部品番号に関する,部品の互換性情報をMIDASから取得し,SW更新可否の判断後にリプロチェーン情報を生成する。 また,MIDASから関連する複数のECUの設変情報を抽出し,複数ECUのSW更新を実施可能としている。4.4 システムによるトレーサビリティ情報管理 本節では,3.3節に記載した課題に対して,どのように対応を行ったか記載する。 マツダでは,工場出荷時に搭載されているSWとHWの部品番号をVIN単位で全て取得している。工場で取得された情報は,生産履歴データベースを経由してAs Fig. 4 Should Build Structure Image抽出し,車種情報ごとに組み合わせの保持/管理を行う。 Fig. 4にShould buildで管理している情報のイメージを記載する。Fig. 4は各車両法規(Regulation)に対し,可能な限りとりうる組み合わせ情報を全て生成している。 設計変更等によりSWもしくは,HWが改訂され「改訂履歴番号」が変更になった場合は,法規ごとに関係しているSWとHWの「改訂履歴番号」の組み合わせを再計算し,車両法規ごとに品質保証できるSWやHWの組み合わせをMIDAS情報から取得することで,一元管理し続けることができる。Fig. 5には,Should buildでの構成追加された場合のイメージを示す。 Fig. 5ではFig. 4の構成のうち,UNRZZにてECU#1のSWが設計変更を2回行い,Su■x B,Cが追加されたと仮定している。 この場合,Should buildではUNRZZに対して,Su■x B,Cを組み合わせとして追加する処理を行っている。
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