マツダ技報2023
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―127―Fig. 18 Conducting Area of Multi-Step Force Spot Fig. 19 Nugget after Initial Current CarryingFig. 20 Nugget of the EndFig. 21 Nugget after Initial Current CarryingFig. 22 Nugget of the EndWeldingFig. 23 Weldability of 3 Sheets WeldingFig. 24 Relationship between Electric Powers and 6. 多段加圧スポット溶接システムの開発 ねらいの溶融プロセスを工場量産の中で安定的に実現するためには,加圧力と通電の同期制御を行うことが重要となる。前述の評価ではマツダの量産では使用されていない特殊な設備を使っており,コストの高さや,溶接のさまざまな姿勢への対応等の難しさがあった。一方で従来の量産の制御では,加圧力と通電は,制御する設備が異なることから緻密に同期制御を図ることができなかった。そこで上記を解決するシステムの開発を行った。カーボンニュートラルのためには多段加圧スポット溶接を広く使っていくことが必要であるため,低コスト,低工数での量産導入実現を目指し,既存設備の活用を前提とした。6.1 現行設備構成と同期性の課題 一般的なスポット溶接の設備ではロボットにより加圧力,溶接タイマーにより電流値,通電時間を制御している。加圧力と通電を同期させることが難しい原因はこの役割分担にある。Fig. 25に示すようにロボットと溶接タイマーで,通電開始と終了のみ信号をやり取りし,通電途中は互いの動作を切り離している。Nugget DiameterFig. 25 Current Welding Sequence これよって多段加圧では,通電初期で薄肉-厚肉間の発熱を促すことができ,溶融部を電極近傍まで形成でき,その後高加圧力時で厚肉-厚肉間のナゲットを拡大できた(Fig. 19,20)。 これを実際のテストピースを用いて実験を行った結果,CAEで確認したようにナゲットの形成過程が加圧力一定の溶接と多段加圧で異なり,多段加圧によりねらいとする溶融プロセスが実現できることを確認できた(Fig. 21,22)。 上記のように多段加圧により厚肉-厚肉間のナゲットを過大にすることなく,薄肉-厚肉間のナゲットを形成できるようなった。その結果,Fig. 23に示すように適正電流範囲が拡大し,Fig. 24に示すように消費エネルギーを30%以上削減することができた。

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