マツダ技報2023
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) (6)(7)(8)TF(9) Cinner:電池セル内部熱容量 Ccase:電池セルケース熱容量 Cterminal:電池セル計測誤差 Tbat:電池セル温度変化量―133―entropymeasuremeasureerrorerrormeasureRerrorItargeterror(Q18.[]A004.[] CpolarizjouleRerrorinnermeasureTbatcaseterminalFig. 8 Curve of the Entropy Changedt(C) Fig. 6 Test Configuration of LIB Thermal Measurement(5)QQQQ_II QCQCFig. 7 Concept of Identification AccuracySdSerrordI0 Fig. 9 E■ect of Entropy Change Consideration3.3 内部熱容量 次に,電池内部熱容量の導出方法について述べる。電池セルケースや端子の熱容量は,形状や材料特性から導出できるものの,内部の熱容量は,設計情報が入手できない場合,導出が困難である。そのため,電池セル全体の熱容量を計測し,ケースや端子の熱容量を差し引くことで,内部熱容量を導出することとした。また,電池セル全体の熱容量計測には,計測の容易化をねらい3.2.にて示した熱流計測装置を用いることとした。式(9)に導出式を示す。熱流計測装置を恒温槽内に入れ,槽内設定温度を変化させる。このときに電池セルとヒートシンク間の熱流センサーが検出した通過熱量を積算し導出する。検証用にアルミニウムの熱容量計測を実施し,物性値から導出される値との差異を確認した。電池セル計測値とともに結果をFig. 10に示す。大きさを違えた2つのアルミニウムにおける推定誤差は,平均5%であることから,本簡易的手法でも熱容量計測が可能であることを確認した。前述のように,得られた電池セルの熱容量から,ケースや端子の熱容量を差し引くことで,内部熱容量導出を実現した。なお,本手法は,一部で実施されており(12),本取り組みでは,電池セルとヒートシンク間以外の電池セル面にも熱流センサーを取り付けることで,高精度化を試みた。   Qmeasure:熱流センサー計測熱 この方法では,熱量計測値とモデル双方に誤差要因があるため,総合的に誤差を最小化させる適切な電流レート選定が必要である。考え方をFig. 7に,導出式を式(6)(7)(8)に示す。熱量計測誤差は,熱流センサーの感度と用いたロガーの分解能から導出し,ジュール熱,分極熱誤差は,モデルの抵抗誤差から演算した。結果,約0.04Cが適切であることを導出した。以上より,取得したエントロピー変化をFig. 8に示す。導出したターゲット値に近い0.05Cにおいて,OCV計測法と同等の値を連続的に得ることができた。また,本エントロピー変化を用いた電池温度挙動の予実差をFig. 9に示す。エントロピー変化を考慮することで,後半の定レート充電においての吸熱と発熱反応が切り替わることで上下限する温度挙動を再現できることを確認した。   Serror:エントロピー変化誤差   Qmeasureerror:熱量計測誤差   Rerror:等価回路抵抗誤差

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