マツダ技報2023
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―134―Fig. 10 Heat Capacity of Al-Block and LIB Cell4.1 電池内部熱流れ分析による縮退 2章で述べたように,3章で取得した熱特性を用い,3次元解析を行い,電池内部の熱流れを分析した。この時,モジュール化されて車載した状態を想定し,底面を冷却面,電池セルの広いケース側面は断熱とした。3次元熱解析による熱流れ分析結果の一例をFig. 11に示す。電池内部で発生した熱量は,冷却面であるケース底面に伝わり上下の温度分布を発生させている。それとともに,広いケース側面に伝わり,ケース伝いにケース底面に伝熱し,放熱されていることが分かった。これを踏まえ,構築した熱等価回路をFig. 12に示す。温度分布と熱流れを表現可能なように最小要素で構築した結果,熱容量,熱抵抗を合わせて30個の1D熱等価回路とすることができた。なお,電池内部の熱抵抗は,後に同定しており,ここでは,仮の値を使用している。Fig. 11 Results of Internal Heat Flow 3D AnalysisFig. 12 LIB Cell Thermal Equivalent Circuit4.2 内部未知パラメーター同定 これまでに,電池セル内部の発熱量,熱容量の同定を行ってきた。ここでは,残った内部未知パラメーターである,内部熱抵抗成分の同定について述べる。 Fig. 13に同定の全体像を示す。特定の電流モードで充放電を行った際の温度上昇と表面熱流束を利用して,前節に構築した熱等価回路中の内部熱抵抗値の同定を行った。今回対象とした熱抵抗は,電解液,正負極の活物質,集電体,バインダーで構成された電極体,その周囲の絶縁材料の熱抵抗,そして,其々の界面熱抵抗に当たる。前節にて述べたように,熱等価回路は熱流れを再現するために最小化されており,この部分の熱抵抗は,LIBセル高さ/奥行き軸ごとに1つの熱抵抗で表現されている。それに従い,個別部材や,材料ごとに同定はせずに,一体として同定を行った。これにより,同定時間の短縮が可能であるとともに,1Dモデル固有である,「離散化した熱容量で平均温度を表現しつつ,局所温度の再現を行う相反問題」の解消につながっていると考える。なお,本同定作業には,5.1に述べる電池内部温度結果も同定に使用しており,精度向上につなげている。以上により,1D熱等価回路の構築を実現した。Fig. 13 Identification Structure of Unknown Parameter5.1 内部温度計測 対象電池セルの内部温度計測を行い,予実差検証を行った。温度計測点,及び実験構成をFig. 14に示す。温度計測は,電池セル内部の下部,中央部,上部,各表面とし,表面熱伝達係数を把握するために,熱流束センサーを表面に設置した。また,モジュール状態を想定し,側面に断熱材を当てるとともに,底面に水冷冷却プレートを設置した。この装置を恒温槽内に設置することで,任意の環境温度と冷却温度条件での検証を可能としている。実験条件一覧をTable 2に示す。このうち環境温度25℃,冷却水温度15℃での温度,熱流束データを4.2で述べた未知パラメーターの同定データとして使用し,他条件でのデータを,検証データとした。温度条件ごとに,4. 1D熱等価回路モデルの構築5. 予実差検証

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