マツダ技報2023
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f2f0(1)2) 0/2(/2ff0―152―21212kmvibFig. 1 Approach to Development of High Performance and Multi-functional Material by Model Based ResearchFig. 2 Vibration Transmissibility Normalized by Resonance Frequency: Critical Damping Ratio ζ=0.1 Fig. 2から分かるように,防振のコンセプトは,系の共振周波数をできるだけ低くして,防振される周波数帯域を広くとることである。振動を大きく増幅する共振周波数f0が車室内音場やシートの骨格構造,人体などの他の系の共振周波数と重ならないように正確に制御することが重要である。したがって,多孔質材による防振設計をする場合,その弾性を正確に予測することが重要である。 多孔質材中を伝わる振動現象を正確に予測するためには,その骨格部分に伝わる振動と流体に伝わる空気振動の相互作用を考慮する必要がある(13)。また,シートのように人が座ることにより比較的大きな歪みが生じた状態での弾性は無荷重の時とは異なるため,大変形を考慮した非線形な弾性特性も考慮する必要がある。 以上より,本研究では,骨格と流体との相互作用を考慮した線形領域の振動モデルと大変形を考慮した非線形領域の振動モデルの構築を行った。2. 多孔質材の微視構造モデル構築デルベースリサーチを活用した材料の研究開発プロジェクトに取り組んでいる(1)。 材料のモデルベースリサーチとは,必要機能からのバックキャスティングにより材料開発を効率的に行う研究手法(2)のことで,材料の微視構造内部で生じている現象をそのメカニズムに基づいた数式でモデル化し,所望の部品特性に対する微視構造レベルでの材料の制御因子を明らかにして,必要機能を発現する微視構造設計を行うものである。 著者らは,吸音材,断熱材及び防振材料として活用されている多孔質材料に焦点を当て,三つの性能が背反することなく高い次元で成立する材料制御モデル技術の開発を目指している(Fig. 1)。これまでに,多孔質材料を周期構造と仮定し,その微視構造で生じる現象からマクロ構造における特性を導出する手法である均質化法(3)を用い,多孔質材料の微視構造から吸音特性と断熱性能を予測する手法を構築した(4)(5)(6)。微視構造スケールとしては一般的な吸音材,断熱材として用いられる多孔質材の空隙サイズである数μm~数百μmを対象としている。吸音特性については,この手法を利用して,所望の特性を得るのに必要な多孔質材の微視構造を低計算コストで効率的に設計する手法(7)(8)を構築し,自動車のエンジンカプセルカバーの吸音部品に適用した(9)(10)。 今回,多孔質材の防振機能設計のための基礎的な微視構造モデルを構築し,主要因子である弾性の発現メカニズムを検討した(11)ので報告する。 本研究の対象とする振動現象は二つである。一つはフロアパネルなどの車体パネルに伝わる数十Hzから数百Hzの現象で,車室内へ音を放射するもしくは足裏で直接感じる振動である。もう一つはシートを介して乗員の身体に伝搬する乗り心地性能に関わる現象で,数Hzから十数Hzの振動である。 前者は繊維や発泡樹脂で構成されたフロアマットをばね,表皮をマスとしたばね-マス系,後者は発泡樹脂製シートをばね,人体荷重をマスとしたばね-マス系の防振構造により振動が抑制されている。ばね-マス防振系の振動伝達率の理論式(12)と周波数特性グラフを式(1)とFig. 2に示す。f1f02ただし,f:周波数,f:系の共振周波数,ζ:臨界減衰比,m:質量,k:ばね定数である。

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