マツダ技報2023
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―155―Kelvin Cell (Cell Size: 400μm)Fig. 10 Analysis Results of Vibration Transmissibility: Comparison of Di■erent Throat SizesFig. 11 Analysis Results of Vibration Transmissibility: Modified One Input Young’s Modulus so that Homogeneous E■ective Elastic Modulus is the SameFig. 12 Measured Nominal Stress-strain Properties of Thermoplastic Polyurethane Used in AnalysisPorosity0.950Solid PhaseE■ective Elastic Modulus [MPa]0.449Flow Resistivity [Pa・s/m2]2.06×1065.11×1056.84×1057.51×103Fluid PhaseE■ective Bulk Modulus [MPa]0.1025100500.9510.9530.4220.3630.1020.1022000.9600.2450.102 続いて吸音機能の制御因子である流れ抵抗がマクロな弾性率に与える影響を検討する。これまでの研究(9)から,Fig. 4に示すユニットセルの膜の通気孔のサイズの違いにより,固体相の弾性率や流体が通り抜けるときの通気抵抗が変化することが分かっている。ユニットセルサイズは400μm,骨格サイズは27μmで固定とし,六角形の膜部分のみに5μm,50μm,100μm,200μmの通気孔が空いているときの計4ケースについて解析を行った。 微視構造解析により算出された均質化特性(固体相の等価縦弾性率,流体相の単位厚流れ抵抗及び等価体積弾性率)をTable 3に示す。固体相の等価縦弾性率及び流体相の流れ抵抗は孔径が大きくなるほど低下しており,これは孔径が大きくなることにより,それぞれ構造としての強度が低下したこと及び通気がしやすくなったことに起因するものと考えられる。一方,流体相から固体相への熱伝導によって変化する流体部の等価体積弾性率(13)の値は通気孔径によらずほぼ同じである。これは流体と固体の接触面である固体相の表面積に大きな差が無かったためと考えられる。Table 3 Analysis Results of Homogeneous Properties of Throat Size [μm] 次に巨視スケールでの振動伝達率解析結果をFig. 10に示す。気孔径が大きいほど振動伝達の共振周波数が低下している。ここでこの共振周波数変化に対する固体相の等価縦弾性率と流体相の流れ抵抗の寄与度を確認するために,通気孔径200μmの等価縦弾性率が5μmの場合と等しくなるように,初期値として与える骨格の弾性率を調整したときの振動伝達率解析を行った。解析結果をFig. 11に示す。両者の解析結果は一致しており,多孔質材のマクロな弾性率は,流体相の流れ抵抗には依存せず,流体相及び固体相の等価縦弾性率で決まることが分かる。 以上より,防振設計に重要な共振周波数を決める多孔質材のマクロな弾性率は,固体相と流体相の等価弾性率の和となっており,流体相の流れ抵抗は寄与していないことが分かった。3.2 大変形を考慮した非線形静解析 シートに人が座るときのような大きな荷重が多孔質材にかかる場合,そのマクロな弾性は非線形な挙動を示すことが知られている。ねらいの荷重がかかったときに想定した弾性になるかどうかが,防振設計においては非常に重要となる。ここでは構築した非線形静解析モデルを用いて,弾性の非線形な挙動の予測とそのメカニズムの推定を行う。 Fig. 6に示すKelvinセルに対して,固体相の座屈や固体相同士の接触が生じるような大荷重がかかった圧縮時のマクロな見かけ弾性率を導出するために,非線形圧縮解析を行う。固体相の微視的な弾性率としては,市販の熱可塑性ポリウレタンの応力歪み特性の実測結果(Fig. 12)を用いた。 座屈と多数の接触を考慮する解析を安定的に行うには高い計算コストがかかるため,できるだけセルの数を減らす必要がある。そこで面内方向への変位の伝わり方も最低限観察できるよう,面内方向には3×3=9個だけのセルを配置し,その側面の境界面にのみ対称境界条件を設定することとした。また,高さ方向については事前にセルの数を1段,3段,24段,100段と変化させたとき

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