マツダ技報2023
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(2)ツール挿入速度 上記3板組みのうち,A6111/A6111においてプローブ径3mm,ツール回転速度3000rpmとし,ツール挿入速度を変化させた場合のウェルドローブ比較をFig. 4に (2) ツール挿入速度 Fig. 3 Comparison of Weld Robes by Probe Diameter(6) ―159―-2- Fig. 4 Comparison of Weld Lobes Fig. 4 Comparison of Weld Robes by Tool Insertion Speed(6) by Tool Insertion Speed(6) カスト板材を含む板組みを中心に,その接合強度に及ぼす接合パラメーターの影響を調査するとともに,断面観察から強度影響因子を検討した。また,実用化時の継手の設計や施工のデータベースとして活用するための,一般的な車体骨格部材を想定した板組みにおける強度評価や,強度予測のための接合CAEの取り組みについて示す。 2. 実実験験方方法法 の負荷を抑える治具を使用した引張せん断強度試験を試験速度10mm/minにて実施した。 測定した上板残厚とせん断強度の関係から,各種板組み,条件におけるウェルドローブを作成した。 (2) 断面観察 せん断強度試験後も含めた接合部断面を光学顕微鏡,走査電子顕微鏡(SEM)及び電子線マイクロアナライザー(EPMA)成分面分析により観察し,板組み,接合条件の違いによる被接合材料の塑性流動状態の変化を見るとともに,界面の接合領域及び破壊時の亀裂進展経路を調査した。 上記3板組みのうち,A6111/A6111においてプローブ径No.40(2023) 2.1 評価材料 アルミニウムダイカスト板材には板厚2.5mmのADC3相当材(T7処理)を使用し,離型剤などの除去のため240番研磨紙により荒研磨したものを供試した。アルミニウム圧延材には板厚2.0mmのA6111-T4,A5052-H34を使用した。2.2 接合試験片の作製 位置制御接合装置を使用した場合のツール形状を含む主要な接合パラメーターをFig. 2に示す。今回はこの中のツールの挿入速度,回転速度,プローブ径の影響を見るため,Table 1に示す接合条件とした。上記3種の100×30mmサイズのアルミニウム板材を使用し,圧延材同士の組合せを含む板組み(以下,上板/下板で表記)について,ツール挿入量を変動させながら30mmラップの重ね部中央を接合した。2.1 評評価価材材料料 アルミニウムダイカスト板材には板厚2.5mmのADC3相当材(T7処理)を使用し,離型剤などの除去のため240番研磨紙により荒研磨したものを供試した。アルミニウム圧延材には板厚2.0mmのA6111-T4,A5052-H34を使用した。 2.2 接接合合試試験験片片のの作作製製 位置制御接合装置を使用した場合のツール形状を含む主要な接合パラメーターをFig.2に示す。今回はこの中のツールの挿入速度,回転速度,プローブ径の影響を見るため,Table1に示す接合条件とした。上記3種の100×30mmサイズのアルミニウム板材を使用し,圧延材同士の組合せを含む板組み(以下,上板/下板で表記)について, ツール挿入量を変動させながら30mmラップの重ね部中央を接合した。 Fig. 2 Tool and Joining Parameter of FSSW Fig. 2 Tool and Joining Parameter of FSSWTable 1 Table 1 Joining Condition2.3 評評価価方方法法 評価方法の詳細を以下に示す。 2.3 評価方法 評価方法の詳細を以下に示す。(1)ウェルドローブの作成(せん断強度試験) Table 1の条件をベースにツール挿入量を変動させて接合した継手試験片について,Fig. 2に示す接合点中央の下板残厚をマイクロメータで実測し,接合装置のたわみを含めたツールの実挿入量及び上板残厚を算出した。そ(1) ウェルドローブの作成(せん断強度試験) Table1の条件をベースにツール挿入量を変動させて接合した継手試験片について,Fig.2に示す接合点中央の下板残厚をマイクロメータで実測し,接合装置のたわみを含めたツールの実挿入量及び上板残厚を算出した。その後,はく離方向3.1 接合パラメーターの影響(1)ツールプローブ径 A6111/A6111,A6111/ADC3,ADC3/A6111の3板組みについて,ツール回転数3000rpm,挿入速度30mm/min一定でプローブ径を変えた場合のウェルドローブの比較をFig. 3に示す。プローブ径が大きい方がピーク強度は高く,そのピーク強度を示す上板残厚は増える方向にシフトした。また,プローブ径5mmの場合,施工時に生じるツールの設定挿入量に対する実挿入量のバラツキに対し,JISA級平均の強度をより安定的に得られることが分かった。3.1 接接合合パパララメメーータターーのの影影響響 (1) ツールプローブ径 A6111/A6111,A6111/ADC3,ADC3/A6111の3板組みについて,ツール回転数3000rpm,挿入速度30mm/min一定でプローブ径を変えた場合のウェルドローブの比較をFig.3に示す。プローブ径が大きい方がピーク強度は高く,そのピーク強度を示す上板残厚は増える方向にシフトした。また,プローブ径5mmの場合,施工時に生じるツールの設定挿入量に対する実挿入量のバラツキに対し,JISA級平均の強度をより安定的に得られることが分かった。 Fig. 3 Comparison of Weld Lobes by Probe Diameter(6)Joining Condition マツダ技報 2. 実験方法3. 実験結果及び考察3. 実実験験結結果果及及びび考考察察 ダイカスト板材を含む板組みを中心に,その接合強度に及ぼす接合パラメーターの影響を調査するとともに,断面観察から強度影響因子を検討した。また,実用化時の継手の設計や施工のデータベースとして活用するための,一般的な車体骨格部材を想定した板組みにおける強度評価や,強度予測のための接合CAEの取り組みについて示す。の後,はく離方向の負荷を抑える治具を使用した引張せん断強度試験を試験速度10mm/minにて実施した。 測定した上板残厚とせん断強度の関係から,各種板組み,条件におけるウェルドローブを作成した。(2)断面観察 せん断強度試験後も含めた接合部断面を光学顕微鏡,走査電子顕微鏡(SEM)及び電子線マイクロアナライザー(EPMA)成分面分析により観察し,板組み,接合条件の違いによる被接合材料の塑性流動状態の変化を見るとともに,界面の接合領域及び破壊時の亀裂進展経路を調査した。

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