マツダ技報2023
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第57回 機械振興賞 経済産業大臣賞受賞テーマ:みんなが走る歓びを共有できる新コンセプト自操車の開発開発担当者:栃岡 孝宏,井上 政雄,田内 一志,前堂 勝久*1,山本 友也*1,佐々木 剛史*1,殿原 恭幸*1*1株式会社マツダE&T   概要: MX30 SeDVの開発では,ベース車の開発と連携して補助装置の設計を進め,生産体制を工夫することにより,運転席の空間を確保しながら乗降性を高め,価格も抑えることができました。また,リング式アクセルを採用することによりアクセルの操作性を高めて,速度維持が容易になり,コーナリング時でも安定した速度で運転できます。さらに,手動通常運転機能を電子制御で切り替えを容易にして,足の不自由な方がご友人やご家族と共に1台の車で一緒にドライブを楽しめるようにしたことが高く評価されました。第9回 ものづくり日本大賞■製品・技術開発部門「経済産業大臣賞」受賞テーマ:商品性と環境性と経済性を両立できるバイオエンプラ新意匠2層成形技術の開発  受賞者:一原 洋平   概要: 環境に優しく透明性の高い植物由来材料であるバイオエンプラを使用した表層樹脂と,基材表面に柄を刻み込んだ基材樹脂との2層成形により,深みのある色合いと精緻感,陰影感など,従来技術では実現困難な意匠を実現できるバイオエンプラ新意匠2層成形技術を開発した。従来は意匠性を向上させるために必要だった塗装工程やフィルム工程などの製造工程を廃止することで,環境負荷低減と部品レベルでのコスト改善を可能にした。MX30 Self-empowerment Driving Vehicle (SeDV) Self-empowerment Driving Vehicle の開発1310MPa級高張力鋼板冷間プレス部品の開発―170―[表層]新開発バイオエンプラ[基材]新開発エンプラ表面模式図マツダ技報:No.38(2021)pp.79-85マツダ技報:No.36(2019)pp.225-228バイオエンプラ新意匠2層成形技術の開発■製造・生産プロセス部門「中国経済産業局長賞」受賞テーマ:自動車安全性能向上とカーボンニュートラルを両立する次世代超高強度鋼板成形技術開発  受賞者:弘中 武都,安達 範久,深井 隆文,玉井 良清*1,新宮 豊久*1,田中 康治*2,小川 操*2*1JFEスチール株式会社,*2日本製鉄株式会社   概要: 自動車ボディ製造に使用する素材の中でも,高強度軽量かつCO2排出量を抑制できる超高強度鋼板の量産適用において従来は製品精度の課題があった。この課題に対し,「スプリングバック(以下S/B)量を精度良く予測する方法」から「S/Bそのものを抑制する方法」へ業務プロセスを変革,S/B量を低減できる成形技術を開発し課題を解決した。また,新規鋼板開発から新型車量産までの基1310MPa鋼板を適用した「MAZDA3」礎技術開発を鉄鋼メーカー/開発/生産部門の三位一体活動により,2019年には1310MPa級高張力鋼板を適用した「MAZDA3」のボディ量産化に成功した。マツダ技報:No.36(2019)pp.192-198

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