マツダ技報2023
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―11―Fig. 11 Thick FaceFig. 12 Strong Stance and WidenessFig. 13 Uniformly Designed InteriorFig. 14 Panoramic Sunroof4. インテリアデザイン4.1 インテリアデザインに籠めた想い CX90の前席エリアは,その造形から表皮や加飾のコーディネーションまで,先行するCX60と共通となる。その上で,後席以降を新規開発とした。ターゲットとなる北米ファミリー層を中心に,CX90として求められる空間を確保しながら,その車格に見合うデザインと質感を表現した。 インテリアのデザインをする上で一番に心掛けたのは,“全ての乗員に等質な空間価値を提供すること”である。もちろん,それぞれの乗車位置による物理的な違い,つまり機能的価値の違いは当然あるものの,その意味的価値においては等質な空間を提供したい,という想いである。特に3列目は,通常,その空間のタイトさも相まって,狭い場所に押し込まれた感覚を受けることが多い。しかし,必要十分な空間を確保したCX90のパッケージを存分に活かすため,シートデザインなどを3列全てで可能な限り統一させた。これによって車両全体の統一感を強調するとともに,乗車位置に関わらず上質かつ等質な空間を感じられるデザインとした (Fig. 13)。4.2 2列目の進化 2列目については,純粋な機能的進化を始め,CX90の多彩なシートレイアウトを考慮した要素を織り込んだ。 まず,リアコンソールには,ヒーターコントロールパネルを装備するとともに,USBCポートを追加し,後席乗員の快適性と空間質感を向上させながら,時代性も考慮したアップデートを行っている。またドアトリムには,前席との統一感を感じさせるアンビエントライトを装備し,夜間における質感の向上を実現した。 ユーザー自身の使用シーンに合わせて選んでいただける,多彩なシートレイアウトのなかでも,2-2-2のシート配置となる6人乗りには2つの仕様がある。シート間にコンソールをもつコンソール仕様と,それぞれのシートにアームレストを備えたキャプテン仕様,の2種類である。特にコンソールのデザインは,CX9から大幅に洗練されたものとし,前席センターコンソールやドアトリムと同テイストの加飾を配置するなど,車内全体における統一感を強調させると同時に,より上質な空間の演出に寄与している。4.3 パノラミックサンルーフ 大型パノラミックサンルーフも,2列目,3列目の乗員の開放感を演出するとともに,等質空間の提供にも大きく貢献する装備である。この装備によって,2列目以降のパッセンジャーも,ドライバーと一緒に移動時間を楽しめるようになると同時に,ロングドライブにおける疲労感の抑制にも大きな効果を発揮すると考えている(Fig. 14)。CX-90 CX-9

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