マツダ技報2023
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-10~45100~45“Dynamic Pressure Turbo”-24~50100~26φ52mmφ52mm←←←←←←←←←←←←←←←―14―Fig. 1 Evolution Roadmap to Ideal of ICEFig. 2 Development and Technology ConceptTable 1 Engine SpecificationsTable 2 Common Basic FrameEngine TypeDisplacementBore x StrokeCompression ratioFuel InjectionTurbochargerEGR SystemIntake-Valve TimingValve opening angleExhaust-Valve TimingValve opening angleMax.Torque/rpmMax.Power/rpmIn-Engine SystemIn-Vehicle SystemBoreStrokeCylinder Block HeightBore PitchPin Journal DiameterCrank Journal DiameterIntercooler SizeLT RadiatorHT Radiator2.7L 213.6×153.8×82.9mmPrevious 2.5T (Regular)In-Line4In-Line6 MHEV482488cm389mm×100mm86mm×94.2mm10.5DI (6 Hole Injectore)Single Turbocharger HPCooled EGROpen (BTDC)Close (ABDC)256Open (BBDC)50~52~47Close (ATDC)232420Nm/2000rpm500Nm/2000-4500 254kw/5000-6000 169kw/5000rpmNew 3.3T Hi-power (Premium Recommend)New 3.3T Std-power (Regular)3283cm312.0Twin Scroll Turbocharger27068~303~41251450Nm/2000-3500 rpmrpm209kw/5000-6000 rpmrpm86mm94.2mm228.05mm94mm570×229.5×31mm570×397.5×31mm このロードマップを実現するための技術開発コンセプトを Fig. 2に示す。コンセプトの柱となるのは,燃焼室内の流動強化,流動維持によるSI燃焼の進化,そして大排気量化である。現行 2.5Lターボエンジン(以下 現行2.5T)から排気量を3.3Lへ拡大してトルクと出力を向上させるとともに,正味平均有効圧BMEP(Brake Mean E■ective Pressure)の最大値を現行よりも抑え,燃焼室内の流動強化によるノッキングを抑制し,圧縮比を10.5から12.0まで高めた。また,この流動強化によって燃焼期間を短縮化し,サイクルごとの燃焼変動を抑制した上で,外部EGR (Exhaust Gas Recirculation) と内部EGR導入による希釈燃焼を拡大することにより燃費を改善しエンジン排出NOx(以下 Raw NOx)を低減した。これらの技術により高負荷運転の広い範囲まで高効率な燃焼を実現した。ターボ過給機については,小型ターボで中低速域のレスポンスを重視している現行2.5Tに対して,排気量拡大により,中低速域のトルクが向上したことで大型ターボへ変更して高出力化を実現した。 また,排気量拡大と大型ターボによって得られた吸入空気量の増加分を,出力性能の向上とミラーサイクル領域の拡大に活用し,更にツインスクロールターボを採用することで低回転域からでも踏込みに対して高応答でリニアな加速を得た。 加えて,新開発の燃焼アシスト始動技術によって,EV走行範囲を拡大し,内燃機関の不得意な領域である極軽負荷域での燃費を改善した。 これらの技術によって,新型3.3Tは出力/燃費ともに優れるエンジンへと進化することができた。 マイルドハイブリッドと8速多段オートマチックトランスミッションとの組み合わせによって,車格の大きいCX90を力強く走らせるために十分なトルクと出力をクリーンかつ高効率に実現した。これらの取り組みにより得られた新型3.3Tの主要諸元をTable 1 に示す。 Table 2に示す諸元内容やチェーンレイアウト・補機配置・車載吸気システムの配置などの基本骨格は,新世代 3.3L直列 6気筒クリーンディーゼルエンジン(4,5,6)と共通設計とした。使用回転数や発熱量の違いからガソリンエンジンでは過剰品質になる部分や信頼性機能強化が必要な部分には,ユニークでの個別最適化を施し,最小限の開発要素とすることで,短期間での開発を実現した。

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