マツダ技報2023
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―16―Fig. 6 Flow Strengthening from Intake to Compression Fig. 7 High Tumble PortFig. 8 E■ect of Combustion Chamber Shape on ProcessCylinder FlowFig. 9 Heat Release CurveVariationFig. 10 MBT Region of BMEPAxis and Torque-Axis 加えて,燃焼期間の短縮による燃焼サイクル変動の抑制は,内部EGR及び外部EGRの増量による更なる希釈燃焼を可能とした。 Fig. 11にバルブオーバーラップ量に対する燃焼サイクル変動率COV(Coefficient of Variation)を示す。現行2.5Tに対してCOVを維持してバルブオーバーラップ拡大,つまり内部EGRの更なる導入を実現した。この燃焼低温化は,冷却損失を低減するとともに,Fig. 2に示したRaw NOxの低減にも貢献しており,キャタリストの貴金属量低減も可能とした。希釈燃焼に加え,吸排気カムの開弁角を従来比拡大し,吸気遅閉じミラーサイクルによるポンプ損失を広範囲で改善した。これらの効率改善の内訳をFig. 12に示す。Fig. 11 Valve Overlap and IMEP Coe■cient of ティ形状から球型へと変更して,圧縮工程でのタンブル流動を維持させている。過剰なキャビティ径の拡大は,燃焼室排気壁側に流動が衝突し,タンブル形成を阻害する傾向にあるため,流動解析と燃焼解析を繰り返し,最適な球型のキャビティ形状を設計した。また,ピストン端部にはエッジカット加工を施し,空間を設けることでクレビス部に残る未燃ガスの低減を図った。 これらの流動強化により,新型3.3Tは現行2.5Tに比べ燃焼期間が短縮した(Fig. 9)。燃焼期間の短縮は,高圧縮比でありながら高負荷域でのノッキングの発生を抑制し,BMEP軸で現行2.5Tと等価な範囲でMBTを実現した。更に排気量拡大によって,トルク軸でMBTの範囲の拡大を実現した(Fig. 10)。

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