マツダ技報2023
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*4  デザイン本部 *6  パワートレイン企画部  MX30 Rotary-EVは,環境に負荷をかけないよう普段はBEVとして使いたい,週末や休暇の際は遠出し日常から離れアクティブに過ごしたい,そしてデザインや走りも妥協したくない,というお客様の「日常生活における環境への貢献」 と「アクティブなライフスタイル」を両立したいというニーズに応えることを目指して開発したモデルである。 これを実現するため,以下3つのKey value(以下,KV)を定義した。KV#1 普段はBEVとして使うことができるKV#2 安心して長距離ドライブができ,出かけた先でもアクティブなカーライフを楽しめるKV#3 デザインコンセプト「Human Modern」の新たな仕様 MX30 EV MODELはマツダ初の量産電気自動車として2020年に導入,マイルドハイブリッドモデルもラインナップし,マツダの電動化をリードしてきたモデル(1)で,今回,新たな選択肢としてプラグインハイブリッドモデルのMX30 Rotary-EVを導入した。3つの異なるパワートレイン全てに電動化技術を搭載するMX30は,市場の特性やお客さまのライフスタイルに応じて最適な電動化モデルを選んでいただくことが可能である。まさに,マツダがカーボンニュートラルの実現に向けて推進するマルチソリューション戦略を体現するモデルである。また,「わたしらしく生きる」をコンセプトに,純粋で心地よい走り,親しみやすさを感じるデザインや,温かみがあり環境にやさしい素材使いによる心整う室内空間などを通し,創造的な時間と体験をお客さまに提供してきた。MX30 Rotary-EVは,MX30の基本的な提供価値はそのままに,BEVとしての使い方を拡張したシリーズ式プラグインハイブ*1~3  商品開発本部 *5  車両開発推進部 ―47―Key words:Heat engine, EV and HV systems, Rotary engine, Lithium-ion battery, Plug-in hybrid, V2L, V2HMX30 is a model that made a challenge creating new value, proposing new relationship between human and produced electric vehicle and the following mild-hybrid model, we are here introducing the value and characteristics of our third variation – the Rotary featured PHEV model that can generate electricity.Product Development Div.Vehicle Development Promotion Dept.Wakako UefujiYouichi MatsudaDesign Dept.Powertrain Planning Dept.Ken NishigouchiShoji NobumotoJota OkadaMasaya Sato1. はじめに2. 提供価値MX30 Rotary-EVの紹介Introduction of MX30 Rotary-EV特集:MAZDA MX30 Rotary-EV09要 約 MX30は,新しい価値の創造に挑戦し人とクルマの新しい関係を提案したモデルであると同時に,マツダの電動化戦略のリードも担っている。マツダ初の量産電気自動車,マイルドハイブリッド車に続き,第三弾として導入した新型ロータリーエンジン8C型(以下,8C型RE)で発電するプラグインハイブリッドモデルについて,提供価値や特徴を紹介する。Abstractvehicle, taking leading role for electrification strategy within Mazda. After launching Mazda’s first ever mass-上藤 和佳子*1西河内 研*2岡田 譲太*3松田 陽一*4信本 昇二*5佐藤 雅哉*6リッドモデルである。

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