マツダ技報2023
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BBaadd GGoooodd00 %% 森本 博貴 菊地 拓哉 野本 哲也  13B型では,λ=1よりも燃料が濃い状態で燃焼させた既燃ガスと排気管内に供給した新気を反応させることで,三元触媒の早期活性化に必要な熱量を確保させる二次エアシステムを採用してきた。本燃焼技術の確立は,二次エアシステムの廃止を可能にし,後処理システムを簡素化したことで発電機ユニットとして車両への搭載性も向上させた。5. 8C型ロータリーエンジンの性能進化 Fig. 20にて一例として3500rpmにおける出力と正味燃料消費率を13B型と比較した。8C型は,燃焼の改善と排気量の適正化により,ユニット燃費がトータルで最大25%向上した。また,Fig. 21に示す13B型の λ=1で運転していた領域(黒枠内)に対して,8C型では排ガス温度の低減により全域 λ=1運転を実現し(図で示すと全域緑色となる),大幅に λ=1域を拡大した。加えて,冷間の始動時には点火時期の大幅な遅角燃焼を可能としたことで,最新のエミッション規制である欧州Euro6d規制にも適合した。 MX30の車体フレーム内に収まるほど小型で高出力を実現できるロータリーエンジンをシリーズ式プラグインハイブリッド用の発電機として活用することは,電動化―58―]]hhwwkk//gg[[]][[ yyccnneeiicciiffffEEggnnggrraahhCC iiCCFFSSBB990088558800775577006655660055555500445544003355330022551133BB::λλ==11OOppeerraattiinngg RRaannggee((GGrreeeenn AArreeaa))2200000022550000EEnnggiinnee SSppeeeedd[[rrppmm]]11002200Fig. 20 Comparison of Net Fuel ConsumptionFig. 21 λ for Operating Range of the 13B2255%%λλ==11RRiicchh2200%%2200%%88CC33550000rrppmm1133BB3300PPoowweerr 4400[[kkWW]] 5500660044550000770088CC::AAllll OOppeerraattiinnggRRaannggee λλ==113300000033550000440000006. おわりに宮本 亨 田中 清喬 若林 良努技術の可能性を広げる新たな選択肢と考える。レシプロエンジンに対して構造的な特徴による課題のあるロータリーエンジンが飛躍的に性能向上し,復活を遂げたのはマツダのアイデンティティーである“飽くなき挑戦”の精神によるものである。これからも地球温暖化抑制に対する真の意味での地球環境へ貢献する技術を生み出すことで,世界各地のエネルギー事情やお客さまのライフスタイルに応じた商品を提供し続けたい。■著 者■中嶋 勝哉砂流 雄剛

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