マツダ技報2023
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―61―Fig. 5 Dimensions and S/V RatioFig. 6 Housing General View and CAE AnalysisFig. 7 Minor Axis Displacement @Combustion CycleFig. 8 Rotor HousingStepped Wear 13B8C2.2 重量の最小化 電動化に伴うパワートレイン総重量の増加から,発電機重量の最小化が求められ,排気量当たりの重量が軽量なロータリーエンジンにおいても更なる軽量化が必要となった。サイドハウジングを従来の鋳鉄からアルミに材料置換するため摺動面の強化を図った。 サイドハウジングの摺動面はサイドシール軌跡と燃焼圧による押付力で短軸部に負荷が集中し段付き摩耗が発生する(Fig. 9)。そこで,摺動面の耐摩耗性強化のため,レースエンジンで実績のあるサーメット溶射(Cr3C2-NiCr)を高速フレーム溶射法にて量産化し解決した(1)。 サイドハウジングのアルミ化により8C型で15kg以上の軽量化を実現している。Fig. 9 Thermal Spraying Area and Wearing2.3 搭載性 従来内燃車と電動車のパッケージを共通化するために,サスフレーム間のスペースにコンパクトな8C型をモーター・ジェネレーターと同軸上に配置し,車両前後方向(Fig. 10)の最小化を図っている。これにより室内空間を犠牲にすることなく従来の内燃機関モデルと共通のエンジンルームに搭載を可能としている。Fig. 10 Transverse Line Frame Direction Layout 燃焼室S/V比と機械抵抗による悪化及びアペックスシール周速限界からTable 1に示すCディメンションを選定し,熱効率改善を図った。(2)構造系の強化 Fig. 6に示すようにロータリーエンジンは並んだハウジングをチューブラピンで位置決めし,テンションボルトで押さえつける構造となっている。燃焼圧による変形感度の高い制御因子は,チューブラ周り・短軸燃焼室側・袴部の剛性が挙げられる。ずれはじめの制御因子はテンションボルト総軸力と部品同士の合わせ面摩擦係数に依存する。 燃焼改善に伴う最大燃焼圧増加は構造上,燃焼室変形を引き起こし,圧縮比の低下をもたらす。この対策として,生産制約を踏まえた各部剛性の最大化とテンションボルト総軸力の最適化を図り,変形量を半減させた(Fig. 7,8)。

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