山本 真司 池田 雄一郎 (1) 小田ほか:溶射技術によるアルミニウム合金鋳物の耐摩耗性向上,マツダ技報,No.29,pp.110-114(2011)(2) 和田:高速フレーム(HVOF)溶射の現状と課題,表面技術,Vol.59,No.8(2008)―76―4. おわりに中田 行俊 髙橋 宏和岸田 高穂 岡田 保彦 また,溶射変形の大幅な低減と仕上げ研削における取り代の最小化により,必要溶射膜厚を減らすことができた結果,溶射層数(重ねて溶射する回数)を低減しても最終要求膜厚を確保することが可能となり,ミニマムコストで本技術を量産に適用することができた。 サイドハウジングのアルミ化に取り組み,15kg以上/台の大幅な軽量化を達成することで,マツダ独自の進化を遂げたREをお客様に提供するとともに,より高い環境性能と走る歓びの実現に貢献することができた。 今回開発したHVOF溶射技術は,その皮膜の研削を含めて社内でも過去に量産経験が無く,全くの手探り状態からの開発であった。その中で,未知の課題一つ一つに対して基礎実験を積み重ね,データを定量的に掘り下げて検証し,理論的にメカニズムを明らかにするプロセスを地道に重ねることで,技術を手の内化し,量産化を実現することができた。今後も,カーボンニュートラルへの貢献と,“人馬一体”の走りを提供し続けるため,更なる技術革新への挑戦を愚直に続けていく。 最後に今回の技術開発及び量産適用にご協力いただいた社外協力メーカー,関係者の皆様に感謝の意を表したい。■著 者■参考文献
元のページ ../index.html#84