はは――マツダ技報No.41(2025) Microalgae Biofuel Research Modeling Strategyではモデル基盤の整備として,まずはラボスLCAExample of Modeling a Lab-Scale CultureStep2としてチューブ型バイオリアクターにFig. 8Step1ケールの培養モデル構築と培養から燃料製造までの製造プロセスモデルの構築に取り組む。培養モデルのスケールアップ(閉鎖系培養)適用と製造プロセスモデルによるコスト,Step3では屋外大規模培養に対応した自然環境と培養環境をつなぐ培養モデルの進化を目指し,更に製造プロセスモデルについては燃料だけではなく機能性材料,医薬品,健康食品,固形燃料など産業として多面的利用されることへ対応したモデル進化を目指す。培養モデル構築について進捗の一例を紹介すると,当するラボスケールの培養モデル化の一例である。培養瓶を用いた通気培養については粒子法を用いた混相流解析により,通気による流動を明らかにしている。また,培養瓶が受けた光の透過についても予測可能なモデルを構築しており,実測したナンノクロロプシスの光合成曲線と組み合わせることでバイオマス生産予測を行っている。培養実験結果との比較では,バイオマス生産量予測に利用するには十分な精度をもつことを確認できた。Fig. 9Fig. 10で構築した培養モデルを適用した事例である。流Step1動解析と光学解析をスケールアップに適応したツールで行うことにより,パイロットスケール培養のバイオマス生産性についても精度よく推定できることを確認済みである。109Fig. 7Comparative Culture Test Results 培養初期の増殖阻害が消失しているのが分かる。また,培養後半で排水利用の培地の細胞密度が低くなっているが,これは縦軸をバイオマス密度(マス量)にして比較すると差がないことが確認できている。この要因は,窒素成分が半減したため,培養後半で窒素が欠乏状態となり,油脂蓄積が進んだ結果,個々の細胞のサイズが大きくなったことにより,少ない細胞密度でも同等のバイオマス密度になったと考える。これらの結果より,栄養塩の大半を占める窒素成分について,高生産性を維持したままマツダ工場の排水で置換できることが確認できた。 今後,微細藻類バイオ燃料のコスト・貢献に加え,排水処理時のる技術として,年間を通じた安定的培養の実現や,設備コストの算出等,実用化に向けた検討を進める。3.5 モデルベース開発技術の適用 培養条件制御が目指す理想の姿は,対象となる微細藻類の油脂生産効率が最大となる細胞周囲環境を導出し,その環境をスケールアップしても維持することである。前者は細胞内機能からの生理学的アプローチであり,前述のとおり,広島大学坂本チーム,埼玉大学西山チームを中心に植物生理学の知見を活用し進めている。後者は,どのように理想の細胞周囲環境を実現していくかをデザインする工学的アプローチといえる。特に燃料生産分野では大スケールの生産設備が求められるため,実際に大規模プラントを建設し試行錯誤実験を行うことは現実的ではない。そのため,マツダが主体となりモデルベース開発技術を活用した机上予測技術の構築に取り組んでいる。また,藻類バイオマス原料から燃料までの製造プロFig. 8セスの検討についてもモデルの活用が求められる。に微細藻類バイオ燃料研究のモデル化戦略を示す。あたりのバイオ1mLCO2排出量へのCO2排出量削減にも貢献しうでは構築したStep2の検討に取り組む。に該Fig. 9Step1
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