マツダ技報2025
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+IVC36Solid Camshaft←13.0燃を←++92で2――マツダ技報No.41(2025)    2. 開発コンセプトと主要諸元3. CO2濃度を増やさない燃料を指す。軽油HVOHVO)がある。燃料は軽油にも含まれてい割以上を占めており,欧州でNeste社の燃料は軽油に比べてセタン価が高く着火しやすいNOx排出量は同等で燃料はレースでの使用において制御修正を必Fig. 1Engine Torque燃料は芳香族成分が少ないため部品同士の潤滑性年最終戦から年のシーズンでCO2燃料(種類のHVO100%燃Fig. 1に示す。HC・煤排種類のMass Production EnginesEngineEngine TypeDisplacementCompression ratioStepped Egg-shapeCombusion ChamberCombusion Bowl ShapeFuel InjectionTurbochargerIntake-CamshaftExhaust-CamshaftSolid CamshaftNa hollow stemvalveExhaust-ValveOil coolerInter coolerAfter TreatmentBoost pressure sensorExhaust manifoldSuperTaikyu EngineIn-Line 42188cm314.4Dual Zone Egg-shapeCombusion Chamber10holes1112cc/min10holes1400cc/minSingleWith variableturbine geometry2stageLPHPIVC55Hollow CamshaftHollow CamshaftNa-Ni hollow headvalve9.6kW13.7kW44kW52kWDOCLow-pressure DPFDOCDPF300kPa450kPaMaterial D5SMaterial SCS17SKYACTIV-Dに示す。14.413.0からカーボンニュートラル燃料適用開発 本レース用エンジンのコンセプトは,焼コンセプトを踏襲し,カーボンニュートラル燃料とレース環境への適合を最適に行い,各システムの機能配分を一から見直すことで量産エンジンの基本骨格は変更することなく,将来の量産型カーボンニュートラル内燃機関を見据えた技術を取り入れた。 Table 1  主要諸元をTable 1Main Dimension and Specification カーボンニュートラル燃料対応として,エンジン燃焼ST-Qと燃料・噴射系部品に与える影響を調査し,同じクラスのライバル車とスーパー耐久シリーズで戦うため,出力の向上とディーゼルエンジンの絶対的良さである燃費(耐久レースの勝敗に大きく影響するファクター)の両立を行った。 出力の向上は,主に吸排気系の抵抗低減と高効率ターボチャージャ,バルブタイミング,燃料噴射量,燃焼室を最適化することで実現した。 出力の向上により熱負荷が増加し背反として各部品の信頼性が低下するため,ラジエータ,インタークーラー,オイルクーラー,排気バルブの冷却系の強化を行っている。更に圧縮比を量産エンジンのることで出力向上かつ筒内圧力を抑えることができる。そのため機械的負荷も低減することで信頼性を確保した。 燃費対策は燃焼室形状の改善,ピストンへの遮熱膜塗装を行った。また遮熱膜にはピストンへの入熱を低減する効果があり,出力と信頼性の両立が実現できた。3.1 カーボンニュートラル燃料について カーボンニュートラル燃料とは,燃料製造時に吸収することにより,製造からエンジンで消費するまでの間,大気中の代替のカーボンニュートラル燃料として廃食油等を水素Hydrotreated 化・脱酸素化処理して生成するVegetable Oilるパラフィン系の成分がは一般流通している。マツダはこの次世代燃料に対し熱負荷が高く過酷なレースの場でエンジンへの適合性検証を実施することで将来の普及に向けた取り組みを進めてMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptきた。はユーグレナ社,及び料を用いて検証を実施した。3.2 燃料による性能差HVOという特性がある。最高出力点のような熱負荷が高い条件では燃料の着火性の違いによる燃焼への影響は小さく熱効率も同等であった。トルク特性の差を排出ガス成分については出量が改善した。また芳香族成分が少ない燃料であるため排出ガスの臭気低減にも効果があった。これらの結果からHVO要としない環境負荷の低い燃料であることが確認できた。3.3 信頼性検証結果HVOやゴム材の信頼性に懸念があることが知られている。潤滑性は潤滑改善剤などの添加剤等に依存しゴム材は材質を考慮する必要がある。これらの信頼性を確認するため2024に下げに,HVO2022燃料を使用した。量産車とレースでの使用条件をFig. 2に示す。量産車と比較してレースでは高燃圧高噴射量域の使用時間の割合が高く,厳しい使用条件で検証120

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