マツダ技報2025
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2に3224――マツダ技報No.41(2025)    AIサロゲート化2. 1D-CAEモデルのMX-30 e-SKYACTIV EVAIモデル構造,Pythonで記述した。Fig. 2Vehicle System 1D-CAE Modelモデルに落とし込み,連成計算させること1DRefrigerant Circuit System of MX-30 e-SKYACTIV EVAIサロゲート化においては,初AIモデルの精度改善にAIモデルの実装にに搭載されている冷凍次元形状によって決ま次元の乱数を入力Fig. Fig. 5に学習後次元デーするサーマルマネジメントシステムの構想検討を行っている。しかしながら性能向上を狙ったシステムの複雑化に伴い,モデルの計算負荷が増加し,ハード設計や制御開発の検討ループが高速に回らないことが課題となってきている。またにおいてはバッテリー温度を適切なBEV値に冷却,加温しておくプレコンディショニング制御が,急速充電時間や走行性能に大きく影響する。そのため,今後迎える量産開発においては,ハード設計の最適化と並行してバッテリープレコンディショニング等の制御まで最適化された検討が求められ,開発が長期化することFig. 1が予想される。それらに示す。これらの課題を解決するためにマツダでは,計算負荷の高い1D-CAEた大量の結果を学習したえ,従来の物理シミュレーションを代替する手法を構築し,計算の高速化及び開発の高効率化に取り組んでいる。Fig. 1Issues in the Development Process またサーマルマネジメントシステムの複雑化は,その制御の複雑化にも直結しており,バッテリーの冷却や加温などの目的を達成するために,各デバイスの制御を最適化することにも多大な工数が必要となる。この課題をAI解決するために,先述したを自動構築可能な強化学習て,構想設計段階で活用する簡易制御モデルを高速かつ自動構築するプロセスを構築した。 本報告ではAIモデルを題材にし,e-SKYACTIV EVの車両全体モデルの概要を本モデルは,冷凍サイクル,キャビン,冷却水回路,e-Axle, バッテリーといった車両を構成する各サブシステ1D-CAEムのモデルによって構成されている。これらのサブシステムモデルを要素ごとに切り出し,教師データAI作成,サロゲートモデル化を実施した。以降の項目では代表して冷凍サイクルモデルのて,冷凍サイクルモデルの概要,学習データ構築の際につの課題のイメージ図をモデルを,同モデルにて計算されAIサロゲートモデルに置き換サロゲートモデルと,制御AIを組み合わせることによっの車両全体サロゲート化を実施した。Fig. 2サロゲート化に関しAI実施した工夫点,取り入れた工夫点を紹介する。なお,関しては2.1 冷凍サイクルモデルに関してMX-30 e-SKYACTIV EVFig. 3サイクルシステムの概要図を示す。本システムでは,空調に用いられるエバポレーターに加え,バッテリー冷却プレートにも冷媒を分岐させて流すことによって,キャビンの空調とバッテリー冷却を併用可能なシステムになっている。本システムをモデル化する上で,各熱交換器の熱交換特性や配管圧損等のる特性をでシステムとしての振る舞いを予測可能としている。Fig. 32.2 学習データ構築に関して 冷凍サイクルモデルの期条件(冷媒温度,熱交換器の壁温度など),境界条件(熱交換器へ流入する温度,流量など),制御指示値(コンプレッサー回転数,膨張弁開度など)を実用上考えら1D-CAEれる範囲内でランダムに時系列変化させながら1D-CAEモデルを繰り返し計算することで教師データを作成した。MX-30 その際に用いる時系列データに関しては,過去の開発にに示す。おいて取得した複数の解析結果をオートエンコーダーモデルに学習させ,デコーダー部分にすることによって,大量の時系列データを生成した。4にオートエンコーダーモデルの概要図,のオートエンコーダーモデルを使った時系列データ生成の概要図を示す。デコーダー部分に入力するタを学習時のエンコーダー出力範囲内に収めることによって,外挿領域の生成を行わないような処理を施して

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