マツダ技報2025
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,,(濃:――11マツダ技報No.41(2025)    )。(することができる5. 筒内流動場における噴霧挙動の可視化6. 高速FIDを用いたTHCFig. 6Concentration Distribution Images of Liquid and Vapor Phases at 1.0ms. after SOI (Left: Liquid Phase, Right: Vapor Phase) 前章で調べた噴霧単体への雰囲気状態量影響に加え,エンジン筒内では吸気流動の影響を受けることが考えられる。実機同様の燃焼室構成をもつ可視化エンジンを用いて,筒内流動場における噴霧挙動を観察した。吸気行程噴射の噴霧液滴を観察するため,石英ガラス製のシリCWンダーライナーを用いて,液滴の散乱をサイドビューで撮影した。実験条件はエンジン実験の代表条件に対応したものである。EXH内可視化画像を示す。燃焼室中央排気(INT気()側へ向かって,噴霧軸中心にレーザーシートを照射し,フロント方向から撮影した画像を,に時系列的に並べている。料液滴の多くが噴射方向に直進してシリンダーライナー壁面に衝突し,ピストン頂面(図中白線)にも付着している様子が確認できる。しかし,後もしばらく壁近傍や燃焼室内に浮遊する噴霧液滴が存在するのに対し,sNVOの散乱は消失している。は小さいと考えられ,噴霧単体計測で見られた蒸発促進効果がエンジン筒内でも同様に確認されたものと推測さLIVOれる。一方,条件では強い吸気流によって噴霧が拡散されるとともに,シリンダーライナー及びピストン壁面に沿って燃焼室外側から内側に向かう流動によって偏向され,一部の液滴は壁面付着を回避している様子が確認できる。更に,壁面衝突を回避した燃料液滴の散乱はすぐに消失しており,蒸発促進の効果も表れている。つLIVOまり,ン筒内でも確認され,加えてによる微粒化促進や壁面付着低減効果もあることが分かった。に,筒Fig. 7Comparison of In-Cylinder Spray Images of Base, LIVO, and sNVO Conditions in Optical Engineを起点 前章までに吸気行程中の蒸発または輸送促進効果を明らかにした。本章では,排気行程に着目して排出挙動を詳細に調査し,吸気行程で現れた変化との因果関係を説明する。THCの排出メカニズムを更に明らかにするために,排気ポートでのFID測は高速ポートより直接サンプリングした。本手法により度の排出挙動をサイクル当たりのて説明する。シミュレーションを用い,排気バルブ通過から計測部ま136sNVO条件はともに蒸発促進効果がエンジLIVOLIVOTHCの時々刻々の排出挙動を計測した。計HFR500, Cambustion Ltd以下の時間分解能で定量的に理解1msec8THC排出重量を求める方法についに解析フローを示す。Fig. 8排出挙動の解明sNVOレーザーシート光によるFig. 7)側から吸SOIBasesNVO及び条件では,燃Base条件では噴射終了条件では壁面衝突後すぐに液滴2つの条件は,流動による影響では強流動場の噴射により発現する)を用い,排気THC次元Step1

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