マツダ技報2025
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3. 強化学習を活用した簡易制御モデル構築2.5AIサロゲートモデルの予測精度及び計算速度Fig. 11に今回構築した冷凍サイクルルと,正解となる詳細モデルを同一条件にて計算した結果を示す。瞬間的に誤差が発生することはあるものの,誤差を瞬時に補正できており,時間平均での熱交換量の誤差は1D-CAE0.1kW以下となっている。また計算速度に関してはモデルが時間程度要したのに対し,度で完了しており,大幅に計算時間を短縮できている。Fig. 11Comparison Results between 1D-CAE and  また詳細は割愛するものの,車両全体構成するその他のe-Axleサロゲート化を行っており,冷凍サイクルAI路モデルもAIモデル同等の予測精度及び計算速度を確保できている。2.6AIサロゲートモデルのサロゲートモデルをサーマルマネジメントシステAI 本ムの制御開発に適用するためには,制御モデルを構築しモデルに統合する必要があるため,ているPythonSimulinkにて構築したAIイアスを取り出し,Simulinkブロックで再現する手法を確立した。その概要図を示す。Fig. 12Process of Using AI Surrogate Models on AIサロゲートモデAIモデルはAI Models1D-CAEモデルや,キャビン,冷却水回Simulinkブロック化サロゲートモデルから重み,バAIモデル内部で行われる行列計算をSimulinkSimulink上においてもCAEツールのライセンスなしで計算可能にAIサロゲートモデルを活用することで,内の②で述べたようにサーFig. 1技術を活用し,サーマルマネジメンAIFig. 3に示す冷凍サイクルシスMX-30 e-SKYACTIV EVにおいてこのような切り替えAIに強化学習技術を活用した制御開発プロセAIサロゲート化技術を用い,Step2モデルの高速化を行う。次にSTEP2AIサロゲートモデルを用いて構築したもSTEP3としてサロゲート化する際に生AI1D-CAEモデルとの振る舞いの違いを強化学習1D-CAEモデルと同のプラントモデルでサポートAI回あとして高速で構築した制御モデ これにより等に振る舞うモデルを高速かつ,他プロジェクトでも共用しているなったため,他プロジェクトの進行を妨げることなく同時並行で大量に計算を実施でき,多面的な検証を行うMILS Model In the Loop Simulation)(31やに16――マツダ技報No.41(2025)       としても活用可能になった。秒程 先述した高速制御開発における試行錯誤的な制御定数調整の効率化が可能になったものの,マルマネジメントシステムの構想設計段階においてはハード仕様の検討と並行し,そのハードに最適化された制御モデルにてシステムの成立性検証を行うことが求められる。そのため,構想設計段階で用いる簡易制御モデルを効率的に構築していくことを目的に,制御を自動構築可能な強化学習トシステム制御の自動構築技術の開発を行った。 このときの題材としてテムを空調単独で運転しているシーンから,バッテリー冷却との併用シーンに切り替え,状態が短時間で急激に変化するシーンを設定した。CX-60 e-SKYACTIV PHEVシーンにおける開発経験はあるものの,今後開発するBEVにおいて空調システムやバッテリー冷却システムがモデルを最適化された際にも同じ制御モデルを適用できる保証はなく,今後生じることが見込まれる空調領域とバッテリー冷却領域の協調制御開発を,強化学習可能か検証することがねらいである。3.1 強化学習を活用した制御開発プロセスFig. 13スを示す。強化学習では繰り返し計算を行うことで学習を進めていくため,効率的な制御構築のためにはたりの計算時間の短縮が必須である。そのためまずはStep1として,先述したFig. 121D-CAE化したモデルと強化学習アルゴリズムを連成させ,制御モデルの構築を行う。また,ルはあくまでものであるため,じている制御モデルが吸収できるのか検証を行う。

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