マツダ技報2025
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1本(1――マツダ技報No.41(2025)  Robot 0.6人を削減した。によって装置内外へ自動で搬送の搬送履歴をトレースすAGVで刃具を搬送するシステムを構築し,Fig. 10)。Robot Hand with Inspection Tool AGV Automatic Inline Measurement SystemAGVFig. 11)。位相決め装置を経由してライン内搬送用の台車まで移載する。素材用ロボットハンドは,バラ積みの部品をずつ抜き取るために最適な形状と強度を両立する専用品を設計し,素材種類ごとにロボットハンドを自動で持ち換える形態とした。Cushion Workpiece Fig. 9Material Picking System 完成パレタイズ装置は,仕様の基本構造を素材ピッキング装置と共通設計にすることで製作期間を短縮した。本設備は,部品が整列しておりバラ積み状態からの抜き取り作業が不要なため,ハンドもクランクシャフトとカムシャフトの両方を把持できる形状で共通化した。 これらの取り組みにより,部品投入・完成品梱包作業に必要であった作業工数2AGV)無軌道によるライン内運搬作業の自動化①素材/完成品の入替 前述の素材ピッキング装置/完成パレタイズ装置の稼働において,複数部品の混流を実現するためには,部品ラックを必要に応じて随時装置内外へ出し入れを行う必要がある。そこでこの次世代加工ラインでは,部品ラックAGVを搬送台車に載せ,台車の出し入れを行う搬送システムを構築した。本システムは,素材ピッキング装置/完成パレタイズ装置と連携し,部品ラック内の部品数の変動や,装置からの要求に応じて任意のタイミングで搬送台車の交換を実施している。 また部品ラックには部品情報を付与した電子タグを取り付けており,建屋への入退場は管理ゲートで監視し,AGVライン内への搬送状況はることで,各部品の所在を確認することが可能となり,在庫管理を効率化した。②刃具/切りくず収集台車自動搬送 加工ラインでは,加工により摩耗した刃具を加工機内から取り出し,刃具のメンテナンスエリアにて刃先の再研磨や刃先チップの交換を行い,加工機内に再度取り付ける作業が発生する。このためライン内に点在する加工機と刃具メンテナンスエリア間の刃具搬送が必要であり,従来は作業者が搬送していた。次世代フレキシブル加工ラインでは,後述のロボットによる刃具交換システムと組み合わせて運用することで,刃具交換に関する一連のライン作業工数を削減している。 また,加工の際に排出される切りくずは専用の収集台車に集積されるが,刃具の運搬と同様にりくず堆積周期に応じて各加工機と切りくず回収エリアとの間を搬送することで,ライン内の運搬作業に要する工数を削減した。4.2 認知/判断作業の自動化 加工ラインでは部品の品質を維持管理するため,定期的に品質チェック作業を行っている。従来,品質チェック作業は作業者が品質項目ごとに専用の検査具を用いて計測作業を行っており,シャフト系部品では「円筒部のAGV 外径,形状,穴径,ネジ形状」が主な計測項目である。 今回,上記計測作業を自動化し,エンジン以外のシャフト系部品にも対応可能な「自動インラインチェック装置」を開発した(Robot Fig. 10 本装置は,ロボットが計測作業と部品搬送を担っており,各計測機器を搭載したロボットハンドと,各部品の搬送に対応したロボットハンドを適宜交換し,全自動で稼働するものである。また,ムと連動することで,加工機から本装置の区間及び計測後の次工程エリアまで,一連の搬送を自動で完結している。 次に,各種計測装置を搭載したロボットハンドについて説明する。円筒部の外径測定については,投影式の非接触型センサーを採用し,外径の異なる部位を測機で測定可能とした。形状測定はレーザー式の測定機を用いて測定部位を撮影し,面取りの形状や加工面の幅の測定など,複雑な形状の品質管理を可能としている。穴径計測及びネジ形状の測定については,穴径計測ではエアマイクロ,ネジ部の計測ではトルク管理式のネジゲージを採用した。また,ロボットハンド先端の測定子を交換する機構を設け,複数の穴径・ネジ径の計測に対応した(150にて,切AGVによる部品搬送システつの計

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