マツダ技報2025
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)”(「――マツダ技報No.41(2025)       4. ダイナミクス性能の進化Fig. 88.8 inch Center Display スマートフォンの態の確認(メンテナンス部品の交換時期・燃料残量・走行距離等)や車両から離れた後の状態通知(ドア,トランクの施錠忘れ・スモールライトやハザードランプの点灯継続・盗難防止アラーム),施錠や広い駐車場で車両を見つけるためのハザード点滅等の遠隔操作が行える。また,アプリで目的地を検索し,ナビゲーションに目的地転送する機能も備えている。 マツダエマージェンシーコールにも対応し,万が一の事故でエアバッグ作動の際には救急車を自動で手配するコネクティッドサービスも利用可能となった。また体調SOSの急変などにより,機能も新規に搭載した。SOS専用スピーカーは,コールセンターのオペレーター音声を聞き取りやすいように,運転席と助手席間にある,バックトリム上面に設置した。Fig. 9Fig. 10 エレキプラットフォームの法規適合に合わせて,運動制御に必要な電装システム,電動パワーステアリングと,Dynamic Stability Control MyMazdaアプリと連携し,車両状ボタンを押して手動で通報するSOS ButtonSOS SpeakerDSC)」の油圧制御ユニットを刷新した。 また,これに合わせて,制御変更によるエンジンパフォーマンスを進化させ,リミテッドスリップデフを,Asymmetric Limited Slip Differential新型リックLSD これらによって,どんなお客さまでも運転を楽しんでいただけるように,日常域から限界域まで,その間のつながりもロードスターらしく一貫したフィーリングでコントロールできるようになった。4.1 新型 従来採用した機構「スーパー造のため,駆動側と減速側の差動制限力をどちらかの特性にしか合わせることができない。このため,トラクション性能を優先してくなる,また差動音が出るというデメリットもあった。「アシンメトリック特性を実現でき,必要なシーンで適切な差動制限力を与えることで,ロードスターらしいひらひらとした軽快感はそのままに,安定感が増すような乗り味にすることが可能となった。日々の生活場面では,軽快かつ安定感が高く,思いどおりの操作ができる。高速・ワインディングにおいては,ブレーキ時の車両姿勢が安定することで,コーナー進入時安心してハンドルを切り込み旋回姿勢を作ることができる。更に,コーナー離脱に向けてコントロール性の高い車両挙動と十分なトラクションを実現することで,より安心してアクセルを踏み込める。このように,サスペンションとドライブトレインを融合させて,日常域~スポーツ走行領域まで一貫し,人馬一体感を進化させた。4.2 電動パワーステアリング より軽やかで正確なステアリングフィールを実現するため,ステアリングシステムにも改良を加えた。ステアリングラックの摩擦を減らしながら,電動パワーステアリングの制御ロジックをより緻密に制御することで,自然ですっきりしたフィードバック感を実現。ステアリングの切り始めから戻し終わるまで,一貫してタイヤと路面のコンタクトが感じられ,まるでドライバーの操作意図が直接ロードスターに伝わっているような,高い一体感を目指した。4.3 エンジンパフォーマンスの進化SKYACTIV-G 1.5た専用セッティングを施すことで更なる高効率化を実現させた。加速の伸び感を強化しながら,を果たした。車の駆動力制御においては最新の制御ロジックをMT導入し,156とした。LSD“アシンメトリックLSDを効かせすぎると曲がりにくLSDLSD」では,駆動側と減速側で異なるでは,国内ハイオクガソリンに合わせSKYACTIV-G 1.5SKYACTIV-G 2.0及び(アシンメトLSD」は,シンプルな構の出力向上3kWに採用し

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