マツダ技報2025
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61[]YとαD2]は1)(,,(),)][2(――マツダ技報No.41(2025)     T0(入力に対して,安定性が変化することも知られているおわりにLSD参考文献ついて述べた。一方で,自動車は走行中,さまざまな外乱の影響を絶えず受けている。また,前後や左右で差動制限機構をもつ車両は,路面の凹凸や横風のような外乱)。そこで本章では,車両に外乱入力が印加された場合にLSDの差動制限特性が車両の安定性及ぼす影響について検討する。5.1 路面外乱に対する安定性 路面外乱が大きい路面を走行する場合を想定し,mm]の突起を左後輪ションを実施した。車速左後輪に上下変位外乱を加えた場合の結果をす。左後輪の外乱による上下変位に伴い,左後輪に負の前後力が発生し,差動制限トルクの大きさに応じて右後輪に正の前後力が発生することで,外乱ヨーモーメントが発生する。定常走行時に発生する駆動トルク領域では,Super LSDAsymmetric LSDの方がクが小さく設定されているから,ヨーレイトのピーク値Asymmetric 及び横方向変位LSDが小さいことが分かる。Super LSDは,に比べ,初期摩擦トルク側のロック率が小さく,アンジュレーションのある路面を走行するようなシーンでも外乱感度が低く,安定性が向上するため,向上が実現できる。Fig. 12Effects of Road Surface Disturbance5.2 車体へのヨーモーメント外乱に対する安定性 直進走行中に横風を受けるシーンを想定し,車速km/hで直進走行中に車体に対して直接反時計回りのヨーモーメント外乱を与えた場合のシミュレーションを5.1実施した。シミュレーション結果を節の路面外乱とは反対に差動制限トルクが小さい方が進Y行方向に対してヨーレイトのピーク値及び横方向変位が大きい。これは,今回のシミュレーション条件のように車体に反時計回りのヨーモーメントが入力された場合,輪のみが乗り越えるシミュレー80 [で直進定常走行中にkm/hFig. 12に対して差動制限トル章(ⅰ)で述べた日常域の安定性Fig. 13に示す。左車輪速<右車輪速の左右車輪速差が発生する。このとき,LSDメントが発生する。差動制限トルクが小さいとヨー復元モーメントも小さくなるため,イトピーク値はント外乱への安定性がわずかに低下したと考えられる。10に示Fig. 13Drive 以上より,Asymmetric LSDめ,アンジュレーション等による路面外乱に対する安定性は高く,横風外乱のような車体に入力されるヨーモーSuper メント外乱に対する安定性はわずかに低いもののLSDとほぼ同等である。外乱の種類によって,外乱安定性の大小関係が逆転することから,おいては,外乱安定性に関する性能バランスを考慮した上で,差動制限特性を設定する必要がある。6.  本稿では,車両運動における車への適用例を示した。ロードスター/ロードスターに対して,駆動輪である後輪の接地荷重状態に応じた差動制限特性を設定できる動制限トルクによるヨー復元モーメントを活用した旋回挙動の安定化効果を机上シミュレーション結果及び実車計測で確認した。また,外乱安定性について検討し,受ける外乱や走行シーンによっても安定性の優劣が逆転することから,ダイナミクス性能全体としてねらいの性能バランスを考慮した差動制限特性の設計が必要であるこ80 とを示した。國井ほか:四輪駆動力自在制御システム(AWDVol.16澤瀬ほか:電動乗用車に適した左右輪間トルク差発163の差動制限効果によって,復元方向のヨーモーAsymmetric LSDSuper LSDに比べて大きく,ヨーモーメEffects of Yaw Moments DisturbanceT⁄2110 Nm>-[Super LSDより差動制限力が小さいたAsymmetric LSDHonda R&D Technical Review)の開発,No.2pp.9-162004のヨーレの範囲において,開発時の検討にLSDの差動制限効果と実RFを開発し,差SH-

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