B~――マツダ技報No.41(2025) 2. 3. MAZDA3 サウンドシステ20KHzが可聴閾であるとされておを大きくすることはFig. 2の容量の関係は(BOXに搭載した状態で振内の空気がバネの役割を果たし,の容量が小さいほどBOXBOXFig. 3)。Fig. 3Site of Air LeakageDifferences in Deformation Near the Cowl Side during a CollisionBOXの容量を大きくBOXだけとして成立するためにピラー付け根部)。Fig. 4Fig. 5)。理想の音響低域の再生周波数を伸ばす考え方判明した。本稿ではその取り組みについて紹介する。Fig. 1CX-60 Speaker Layout2.1 音源の情報を正しく伝える2019年のマツダ技報「新型ム開発」の中でも述べているが,音楽は芸術作品でありアーティストやレコーディングエンジニアが聴かせたい音が録音されている。マツダは,意図した音を細部にわたり精巧に再生させることが「音源に入っている情報を正しく伝える」ことにつながると考えている。20Hz 人の聴覚はり,低い音を出す場合にはスピーカーを動かすためのエネルギーが多く必要となる。スピーカーを大きく動かすBOXためにの容量も大きくする必要がある。しかし,車BOX室内という限られた空間の中で非常に困難である。2.2BOXの容量と音圧の関係BOX 低域の再生能力とすとおりである。スピーカーをBOX幅を拡大すると,スピーカーの振動を抑制しようとする。低い音ほどスピーカーの振幅は大きくなり,空気バネの抵抗は大きくなるため,低い音を出すことが難しくなる。Fig. 2Concept of BOX Capacity and Sound Pressure 低域の再生周波数を伸ばすためにすることが必要であるが,限られた空間の中でを大きくすることは他のユニットへの干渉などにより不可能である。そのため,今まで使用されていない空間を有効に利用するためカウルサイドと外板の空間を利用することを考えた。 まず初めに,カウルサイドにスピーカーが取り付く試作車を製作し検証を行った。は密閉が重要であるが,以下の部分からの空気漏れが確認された。①鉄板同士をスポットで溶接している部位,②ドアハーネス貫通グロメット部,③の開口部( 更に,単にカウルサイドに穴を開けるだけでは,車体の剛性が低下し,スピーカーフレームも剛性に寄与しないこ)に示とが判明した。また,補強レインの設定が不可能となるため,衝突時の変形が大きくなることも確認された(Fig. 4 そこで,車体構造の一部の空間を有効に活用するために,スピーカー背後の空間を一枚の部材で密閉し,空気が漏れない構造とした。更に,衝突荷重に耐えられる材料としてハイテン材を使用した(170
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