)aPM(edutilpmassertSF())2((:A3()2(2)()2(B部――マツダ技報No.41(2025) 3002782552332101881651431209875533006. おわりにStress (MPa)A: Max stress spotA: Max stress spotB: WeldingendB: Welding endCrack Initiation Point 4003503002502001501.E+031.E+04980 -WireA980 -WireB440 -WireB1.E+051.E+06Fig. 14Fatigue Strength of Rap Fillet Weld Joint 実部品における溶接部の疲労強度5.4 実部品において,材料強度を効果的に利用するために,連続接合で閉断面を構成することが望ましい。しかし,生産都合上,板金部品の重ねや突合せ継手接合部において,全ての部位で連続的な溶接施工は困難であり,溶接の不連続部は避けられない。不連続となる溶接始終端部は,ビード形状・入熱量が連続溶接部と異なり,疲労強980度に差があると予測される。そこで,材を適用し,解析と実部品にて溶接始終端部の疲労強度を検証した。1)解析結果 有限要素法(Finite Element Method溶接部応力を予測した結果を発生するのは連続溶接部Fig. 15 Stress Distribution Diagram by FEM Stress Distribution Diagram by FEMFig. 15)実部品評価結果 疲労試験後,浸透探傷検査によりき裂を顕在化させたFig. 16外観をに示す。最も早くき裂が発生したのはであり,発生位置は重ねすみ肉溶接継手の下板側溶接終端部であった。その後,き裂部を補強し追試験を実施したが,き裂が生じるのはいずれも溶接始終端部であり,連続溶接部ではき裂が発生しなかった。Crack Initiation Point in Fatigue TestFig. 16Fig. 16 Crack Initiation Point in Fatigue Test Fr. LCAに熱延)を用いて,FEMFig. 15に示す。最大応力がB,次点は溶接終端部R≒0Number of cycles to failure部の強度低下を抑制したと推測する。HAZ これは連続溶接部と溶接始終端部で,フランク角や止端半径といったビード形状による応力集中,入熱による残留応力,溶接部の強度が異なるためと推測されるが,それぞれの寄与度を明確にすることは難しく今後の課題である。一方,別のアプローチとして,連続溶接長の延長により,実部品の発生応力を低減すると同時に溶接の不連続部を減らし,弱点となる溶接始終端部数を削減することは,溶接部の疲労強度向上を図る有効な手段と考える。 鋼板部品の発錆原因の一つである,「溶接スラグ」を極小化するハイアルゴン溶接を進化し,材に対応する新プロセスを開発,その開発の過程で以下の知見を得た。1「スラグ分散ワイヤ」を用いた新型ハイアルゴン溶接は,合金成分が増大する高強度材(用いた部品に対して,溶接スラグを分散・逐次無害化することで,防錆性能を大幅に改善できることを確認した。薄板・高強度材を用いる場合,応力が増加し,接合部が弱点となるため,信頼性確保には溶接ワイヤの高強度化が有効である。一方で,溶接ワイヤの高強度化は材料の合金成分の増加を伴い,防錆性能が低下する。強度と防錆性能の両立に,新型ハイアルゴン溶接プロセスが有効である。であった。新型ハイアルゴン溶接は,スラグ無害化を効果的に行うため,溶接速度を従来プロセスの約この入熱量低減により,熱影響による酸化被膜が抑制され,腐食進展領域の発錆拡大が緩和されると同時に,母材 一方,今後の課題として以下の検討が必要である。1溶接ビード近傍の酸化被膜により,微小スラグを起点とした初期錆は,進展挙動が大きく変化する。溶接プロセスでの酸化被膜抑制及び,カチオン電着工程での無害化の検討が不可欠である。溶接はアークによる入熱により,金属の相変態を連続的に生じさせる。本報の対象部品は比較的単純な構造であるが,複雑構造の部品の場合,同じ位置に複数回の入熱が付加されることで,金属組織,酸化被膜の状況が変化する。更には,入熱による残留応力も複雑に影響する。信頼性の向上,更なる軽量化を実現するために,これらを考慮した構造設計技術の進化を目指す。 最後に,本研究開発を進めるにあたり多大なご協力をいただいた(株)神戸製鋼所様,(株)ヨロズ様の皆様に深くお礼申し上げます。177級高強度980MPa980MPa)を倍とした。
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