(万)1※0%―~AI―マツダ技報No.41(2025) m22. 各活動軸における課題3. 機械学習を用いた漏水検知Production process Water Resources Recycling center [Resource diversification] IN PUT Water intake [Resource value maximization] OUT PUT 220)の計画更新80Fig. 2)。この目標達成と水資源の有効活用のために,「維持管理」,「リデュース&リユース(節水)」,「リサイクル(再生水利用)」,「雨水利用」に取り組んでいる。雨水利用では,雨水を貯蔵タンクに貯めるため,災害時にも水源を確保できるだけでなく,周辺地域の取水を妨げないことにも貢献できる。水資源の有効活用の方針としては,まず配管等の維持管理により漏水をなくし,節水で水使用量を最小化した上で再生水や雨水に置き換えるという流れで進めている(で行っているこれら取り組みについて紹介する。Fig. 1The Vision for Effective Utilization of Water Fig. 2Actual Water Intake and Reduction TargetFig. 3Definitions of Water Intake and Usage at MazdaFig. 3 Definitions of Water Intake and Usage at Mazda NGO・Water quality at the same level as at the time of water intake, etc.Wastewater Discharge 18% reduction 30% reduction 38% reduction 82 70 62 201920232030(year) Recycled Water ③ ① Rainwater ③ ② ③ Drinking Water Industrial Water Value Waste through the use of recycled water through the use of rainwater 概要特徴量の抽出)を特定し,水使用量との相関性0.5以上を基準とした結果,曜日, 環境分野に取り組む国際・Fully utilize of rainwater, etc. Rainwater ・Reduce water consumption, etc. Recycled water ・Increase the use of recycled water, etc. (%) 1009080706050100 403020102013Water Usage Water Withdrawal Third- Party Water = Water Purchased ①Reduction in water withdrawal ②Reduction in third-party water ③Reduction of waste through water conservation )。本論文では,マツダFig. 3Resources 前章で述べた各活動軸における課題について紹介する。 「維持管理」に関しては,マツダ構内(約180kmに敷設している水配管(総敷設長約を行っているが,更新前に漏水が発生してしまうことがある。また,水使用設備の異常やヒューマンエラーで漏水するケースもある。漏水をすぐに発見できる場合も多いが,埋設配管の場合は発見が難しく,長時間の漏水は道路の陥没リスクにもつながる。そのようなリスクを未然に防ぐために,水メーターの数値を監視モニターや定期検針等で確認しているが,漏水かどうかの切り分けが難しく,漏水を見逃してしまうという問題があった。これに対し,データをうまく使い,漏水かどうかを的確に判断できる仕組みの構築が課題であった。 「節水」に関しては,これまで,生活領域である手洗いやトイレへの節水型器具の導入や冷却塔補給量の適正化に取り組んできた。しかし,マツダの水使用量の約は生産領域である。そのため,目標達成のためには,この領域に踏み込んでいかなければならないが,水質がクルマの生産品質に直結するため,ほとんど踏み込めずにいた。そのため,生産品質に影響を与えず,あるいは良い影響を与えつつ水使用量を削減することが課題であった。 「再生水利用」に関しては,再生水の活用用途や廃水の再生手段等,取り組みを進めていくための方針が定まっていなかった。そのため,どのように再生水を作り,何に利用するのかといった方針を策定しつつ再生水利用の具体化を進めることが課題であった。 上記の各課題に対して取り組んだ結果を次章から説明する。3.1 水使用量の数値から漏水を的確に判定するために,機械学習による異常検知を適用することを検討した。機械学習による異常検知は,データ間が複雑な非線形関係でも扱うことができるため,従来の重回帰分析よりも適していると考えた。水使用量と相関の高い特徴量を抽出し,水使用量との関係性を学習させることで,漏水が起きた際の異常を検知できる仕組みの構築を目指した。本論文では,構内のあるエリアに対して実施した結果について報告する。3.2 水使用量と相関がありそうな特徴量として,外気温,降雨量,日射量,月,日,曜日,工場稼働/非稼働,電力使用量(工場を確認した。相関係数192
元のページ ../index.html#201